2007年10月 5日 (金)

「フランス(及び仏語圏)-03」カテゴリ追加、および雑談

 少しずつ機能が追加されているココログではありますが、未だに“○件でページ替え”みたいな事をしてくれないので、記事がたまるとカテゴリー別のページが肥大化していくのが困りものです。そこで、新たに「フランス(及び仏語圏)-03」のカテゴリーを創設します。ですので、この続きはそちらの方をご覧下さい。


 ところでこのブログ、やけに「フランス(及び仏語圏)」の話題が多いです。特に何か意識した訳ではなくて、気のおもむくままに記事を書き綴っていたら、こうなりました。すると本文中に「バンド・デシネ」という言葉を多用する事になるのですが、ここで一応念の為に申し上げますと、別に気取って横文字を用いている訳ではありません。これを「フランスの漫画」と記述してしまうと「フランス人以外の作者もいれば、フランス以外の出版社もあるのに何故?」と違和感を覚えるし、「フランス語圏の漫画」とすると「フランスの海外県を連想する人もいるのでは?(考え過ぎかも知れないのですが、過去にそういう気配を感じたことがありまして…)」と懸念したため、近年日本でも徐々に定着しつつある「バンド・デシネ」という用語を使わせてもらっている次第であります。

 こうしてブログを書き綴っていくにつれ、「バンド・デシネ」や、ひいては「日本人のイメージするフランス(及びフランス的なもの)」について思う事など色々と生じて参りました。上段のように「バンド・デシネ(以下BDと表記)」を定義付けたのも、そのひとつの現れです。そこで、せっかくだからこの機会に、これまで思い巡らしていた経緯などをつらつらと書いてみたいと思います。私自身、気のおもむくままにネット書店を物色して気に入ったものを買い込んで読んだり眺めたり、或いはBD関連サイトを拾い読みしているだけなので決して大それた事を言える立場ではないのですが、それでも気になるのは、日本で紹介されたり翻訳されるBD作品というのはあくまでごく一部であり(…ここでちょっと脱線しますが、実はアメリカ経由で日本に入ってくるものが多いんじゃないでしょうか。『タンタン』『スマーフ』はキャラクターの名前が英語版仕様ですし、メビウスやビラルあたりは雑誌『Heavy Metal』や『スターログ』を経て日本に入って来たのではないかと思うのですが…)、それらをもって「フランスってこういうもの」と言い切ってしまって良いのかどうか、ちょっと考え込んでしまいました。ちなみに、最新のベストセラーBDの一覧はこんな感じ。子供向けのものや肩のこらない娯楽作も多く見受けられ、なんと言いますか、フランス旅行ガイドで「フランスはグルメとファッションの国と思われていますが、別にフランス人はいつも美食やお洒落ばかりしている訳ではありません(大意)」といった記述を見た事があるのですが、漫画に関しても同じようなことが言えるのかなと思えてきます。でも、巷間言われている「判型は約A4サイズでハードカバー、絵本みたいな体裁でフルカラー」というのは、実際に現地の書店で目にして「確かにそんな感じかも」と思ったものでした。

 あともう一つ気付いたのは、BDの中には「フランスのもの」とは言い切れないものが数多くあるという事です。例えば「Spirou et Fantasio」など、2006年1月26日付け記事のリンク先資料等によると、掲載誌「Spirou」はベルギー生まれの雑誌ですが、初代の作者はフランス人で、第2次世界大戦が始まって帰国しなくてはならなくなったので著作権をを版元に譲って、以後ベルギー人の作家や、最新シリーズはシナリオはフランス人・作画はスペイン人のコンビが描いており、版元は現在フランスの大手グループの傘下に入っています。こうなると、もう「ベルギーの漫画」とも「フランスの漫画」とも言い難くなってしまいますが、これに近い事例は他にもあります。現地では総称して「bande dessineé franco-belge」とか「BD francophone(←最近ではスイスの作家や、出版はフランス語圏でも出身が他国の作者を想定して、こういう呼び方になったのではないかと推測するのですがいかがでしょうか。)」などと呼んでいますが、それすら日本に入ると、2005年12月8日付け記事のように「フレンチ・コミック」と翻訳されてしまったり、単に「フランスの漫画」と呼ばれたりして、「ベルギー」の文字が抜け落ちてしまう事例をいくつも見てきました。恐らく、翻訳者や紹介者がフランスでそれらの作品に接することが多いからかも知れませんし、日本人のフランスに対する強い思いが反映されているのかも知れません。それに、ベルギーの方々のPRも足りないですよね。近所のデパートでたまに物産展を開催しているのですが、置いてあるのは大抵、ビールにワッフルにチョコレートといった具合ですし。

 …と、長々と書き連ねてきましたが、フランス(語圏)に限らず、異文化への理解の道はなかなか険しいものです。特に漫画は嗜好品の側面もあるから、どうしても論者によって偏りが出たりして、全体像を把握したり客観的に批評するなどというのは非常に難しいと思います。日本人が日本のマンガを語る際にも色々な議論が発生しますよね。ましてや言葉の壁の高い外国漫画をや。このブログには私の個人的な嗜好が色濃く反映されていて、私自身、日本のマンガを読む延長上で外国のものをネットで見繕っているようなところがあります。これまで日本に紹介されなかった作品・作家を取り上げる事も多く、かつ、その事に意義を感じるときもあります。なので、時々、いまひとつ「(日本人のイメージする)フランス的なもの」が欠けているのではないかとか、「『フランス(語圏)』と言いながら随分と偏っているじゃないか」と言われるのではないか、などと思う事もあるのですが、ここはそういう性質を持ったブログという事で、ひとつ今後ともどうぞよろしくお願い致します。

(10月13日、11月9日一部修正……気持ちの乱れが文章の乱れに表れているため、ちょこまかと頻繁に書き直しています。文章を直しながら、心のむずがっている部分を整理しています。)

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2007年10月 4日 (木)

「ペルセポリス:PERSEPOLIS」映画その後

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●映画『ペルセポリス:PERSEPOLIS』公式サイト
●米アカデミー授賞式にフランス映画『ペルセポリス』 ユニフランスより)
●英語版公式サイト

 2006年12月27日付け記事でご紹介した、「ペルセポリス」アニメ映画のその後。フランスのカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞した話は日本でも話題になっていたのでご存知の方も多いかと思います。そして、フランスでは100万人を超える観客動員数を記録するヒット作となり、日本では2008年正月公開予定だそうです。更にアメリカでは、来年2月に行われる米アカデミー授賞式で、フランスを代表してこの映画が上映されることが決定し、アカデミー賞の最優秀外国映画賞と最優秀アニメーション映画賞へのノミネートも有望視されているとのこと。何だかすごく評判が良いですね。

 アメリカといえば、この映画の原作も英語に翻訳されて好評のようです。以前、雑誌「ニューズウィーク日本版」で取り上げられているのを図書館で見かけました。うちの近所の図書館は昔の雑誌は保存してくれないので現物をチェックすることが困難なのですが、ネットを検索してみた所、おそらく2005/08/31発売号 (9/7号)の中の「文学の未来はコミックにあり 「グラフィック小説」は低迷する出版界の救世主になれるか ?」という記事だったと思います。また、英語版の元記事はAug. 22, 2005 issueのこの記事ではないかと思われます。(でも違ってたらゴメンなさいね。)

 原作は以前図書館で借りて読んだことがあるのですが、近年のイラン情勢の元で苦難を強いられる人々の話や、女性として生きていく上での種々の悩みなど、新たに知ることもあれば環境の違いを超えて共感することもありました。映画の予告編を初めて見たとき、正直なところ、イスラム社会の息苦しさとアメリカ文化へのあこがればかりが強調されて違和感を感じたものでしたが、「allocine.com」の特設ページ内の「Bandes Annonces」の他のサンプル動画を見ていると、それは本編のごく一部なんでしょうね。いずれにせよ、来年の日本公開が楽しみです。


 最後にちょっと蛇足なのですが、上記「ニューズウィーク日本版」記事の「グラフィック小説」という言葉について。要はアメリカの漫画のいちジャンルである「グラフィック・ノベル」のことなんですが、こういう漫画用語ってなかなか定着しづらいですね。First Second Booksというアメリカの出版社の日本語ページ(→こちら)でも律儀に「グラフィック小説」と訳していますし。私自身、初めて「グラフィック・ノベル」という言葉を目にしたとき「漫画なのになぜ『小説』と言う?」と、しばらく違和感がぬぐえず、やがて「そういうものか」と慣れていった次第ではありますが(麻痺したとも言えるかも)、こういう用語ひとつで、日本とアメリカの漫画観の違いを垣間見た思いです。

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2007年9月 1日 (土)

「Valérian」TVアニメその後

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 2006年12月27日付け記事でご紹介した、日仏合作アニメ「Time Jam - Valérian & Laureline」のその後。公式ブログに、新しく声の入った予告編が紹介されていました。前回同様youtubeにupされていて、フランス語版英語版がありました。フランスでの放映については10月末ごろに分かるという話だそうですが、日本ではどうなんでしょう…?

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 監督のPhilippe Vidalは、かつて「Becassine : Le Tresor Viking(2001年フランス公開)」を手がけていました。DVDの感想をこちらに書きました。2年前に書いた記事なので一部情報が古いですが、DVDは再リリースされているみたいですね。この2つのアニメ、ぱっと見たところは全然印象が違うのですが、同じ監督ということで、何らかの共通点があるかもしれません。

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2007年8月12日 (日)

フランスのTVアニメ配信サイト

▼AlloCiné TV présente : Zooloo Kids
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 フランスの映画紹介サイト「ALLOCINE.COM」の中に子供向けのアニメを配信している特設サイトを見つけたのでご紹介します。取り上げられているのはxilam社製作の「TOUPOU」「DRAGON FLYZ」「ZINZINS et L'ESPACE」「LUCKY LUKE」「OGGY et les CAFARDS」の5つのシリーズ。 最後のは「オギー&コックローチ」というタイトルで日本のカートゥーンネットワークでも放映されているから、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。

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 また、この中の「LUCKY LUKE(リュッキー・リュック)」という西部劇のアニメは、今年の12月に長編映画が公開されるとのことで、今から宣伝に力が入っています。公式サイトは→こちら。そしてALLOCINE.COM内の特設ページは→こちら。(公式サイトの予告編は受信に時間がかかって見づらいですね…)
 このアニメは、昔から人気のあるバンド・デシネが原作(原作の公式サイトは→こちら)で、私はまだ原作は読んだことはないのですが、アニメの予告編を見ていると、かなりドタバタギャグが展開されている模様(監督は『オギー&コックローチ』と同じ方)で、言葉や原作を知らなくても楽しめそうです。

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2007年8月 2日 (木)

ERNIE PIKE

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ERNIE PIKE(アーニー・パイク、Glénat社、1999年刊)
シナリオ:Héctor Germán Oesterheld(エクトル・ヘルマン・オエステレルド、1919-1977)
作画:Hugo Pratt(ユーゴ・プラット、1927-1995)
初出:「Hora Cero Mensual(月刊オラ・セロ)」1957年5月第1号、他

 米軍の従軍記者Ernie Pike(アーニー・パイク)による戦場レポートという体裁を取った、戦記ものの短編作品集。前回のエントリで取り上げた「El Eternauta(エル・エテルナウタ)」のHéctor Germán Oesterheldと、2006年12月4日付けエントリで取り上げた「Corto Maltese(コルト・マルテーズ)」のHugo Prattによる、1950年代のアルゼンチンの漫画がフランス語圏で刊行されたもので、5頁~25頁の様々な作品が23篇収められています。私が持っているのは、以前Glénat社刊行された全1巻の白黒バージョンですが、現在はCasterman社から彩色されたリニューアル版が4冊に分けて刊行されています(→こちら。リニューアル版には新たに収録された話もあるようですね。)。

 Ernie Pikeは架空の人物で、沖縄で戦死した従軍記者アーニー・パイルがモデル。舞台は第二次大戦のヨーロッパやアジアやアフリカ、更には朝鮮戦争へと広範囲に渡り、様々な人間ドラマが展開されています。戦争という極限状況のもとで描かれる、最前線の出来事の数々。或る者は敵を助けるために命を落とし、また或る者は何とか生き抜こうとする。状況に翻弄される者もいれば、何よりも自己の信念を貫こうとする者もいる。そこに描かれるのは、イデオロギーや勇ましさとは無縁の世界です。これらの作品はおそらくフィクションであり、もしかしたら史実を題材としているものもあるかも知れませんが、その辺りは私にはわかりませんでした。

 どの作品も短いページ数(主に5~9頁)の中で、込み入った世界をコンパクトに上手くまとめてあります。様々な国の兵士や民間人を描くにあたって少々ステロタイプな描き方をしている所が気になりましたが、なんと言っても50年も前の作品ですし、その辺は割り引いて見た方が良いかも知れません。しかし、核となるのは普遍的な人間ドラマであり、それはどの時代であっても共感を呼ぶものではないかと思いました。

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2007年5月12日 (土)

手裏剣スクールのオリジナルFLASHアニメ

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 2月28日付けのエントリでご紹介した、トゥーン・ディズニーのJETIX(ケーブルTVやCS放送)で放映中の「手裏剣スクール」について。あれから私、結構このアニメが気に入ってて毎週楽しみにしているのですが、日本ではネットの評判があまり思わしくないようで、残念でたまりません。英語圏では一時期「Naruto rip off(NARUTOのパクリ)」とか言われてたしー……「忍たま乱太郎」や「さすがの猿飛」なら分からないでもないですが(でも前者はおそらく海外では放映されてないだろうし、後者はちょっと古すぎますか)、そんなに似てるでしょうか「NARUTO」に。とりあえず、海外のナルト人気をあらためて実感したのは確か。いや、でもでも世界は広いし「手裏剣スクール」は対象年齢6-11歳という話だから、ネットには現れてこない反応だってあるかも知れません。

 さて、この「手裏剣スクール」、オリジナルはスペインのEmilio GALLEGO(エミリオ・ガジェゴ)とJesús GALLEGO(ヘスス・ガジェゴ)の兄弟が製作したflashアニメで、公式サイト「Gallego Bros Animacion」には「1994年創作、2000年12話をインターネットに、2002年コンセプトのTV化、2006年放映開始」と書いてありました。するとオリジナルのflashアニメが存在するのでは。しかしTV版が放映された現在、他のflash作品はupされていても「Shuriken School」だけはupされておらず……

 でも、そういう有名作品なら他のサイトにコピーがupされているもので、スペイン語のサイト「Zona Juego(ゲームゾーン)」に5つの話がupされていました。TVアニメ版と比べてみると、変わらない部分と変更点が興味深いです。それにしても、この作者は忍者のことや日本の美術についてよく勉強しているみたいですね。そして、TVアニメ化されて90ヶ国以上から放映の引き合いが来たというのは何ともスケールのでかいサクセスストーリーです。
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●1.PRUEBAS DE SELECCION(選考試験)
●2.LA PRIMERA CLASE(最初の授業)
●3.LA LEYENDA DE KOJI MURASAKI(コージ・ムラサキの伝説)
●4.KATANA SCHOOL(刀スクール)
●5.CLASE AL AIRE LIBRE(野外授業)

 で、TVアニメシリーズについては公式サイトが沢山あったので、主なものを挙げてみます。個人的には、全体的な紹介が見やすいshurikenschool.fr、エピソードリストが掲載されているカナダのYTVのサイトの2つが便利でした。
●shurikenschool.fr
●shurikenschool.com
●フランスの製作会社xilamの特設サイト
●カナダのTV局YTVの特設サイト
●イギリスJETIXの特設サイト

 なお、TVアニメ化にあたっては理不尽な検閲もあったそうで、フランス人スタッフのインタビュー記事によると、その一つの事例として、メインキャラクターの一人がクッキーを食べているシーンが、間食は肥満防止の妨げになるという理由からサラダを食べる場面に差し替えられたのだそうです。そういえば、変な葉っぱを手づかみでムシャムシャ食べているシーンがあって「日本の食習慣が間違って伝わったのでは…?」と思ったことがありましたが、そのシーンのことでしょうか。やはりフランスは細かいことに厳しいですね。他にもこういった事例があるそうですが、もともとの設定にシュールなところがあるので、どの辺が検閲の結果なのか興味のあるところです。


《2008年1月30日追記》
その他の国々の公式サイトへのリンクも載せてみます。
Nickelodeon(USA)
TOONWAM France 3(フランス)
Jetix(スペイン)
Jetix(南米スペイン語圏)
Jetix(ブラジル)
Jetix(ハンガリー)

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2007年3月 3日 (土)

Blake et Mortimer(TVアニメOP)

 前回のエントリに引き続き「YouTube」で気になった海外のTVアニメのオープニングを。やはり、ルクセンブルグのKronosiakさん(→サイト『:: ANAMNESIAK ::』)より。

▼ Les aventures de Blake et Mortimer (intro)
blake_mortimer.jpg
 …ベルギーのバンド・デシネの古典「Blake et Mortimer」をTVアニメ化。1997年制作・放映とのこと(参照:Planète Jeunesse)。原作は1946年にEdgar Pierre Jacobsによって誕生し、その死後は他の作家によって描き続けられています。絵柄が何となくタンタンに似ているのは、JacobsがHergéのもとで仕事をしていたから…?でも、版元のDARGAUD社のサイト内のページを見てみると(こちらこちら)、原作の絵はもっと込み入っていて、セリフの文字もこまかくてびっしり書き込まれているものですから、以前から気になってはいたものの、未だに手に取るのを敬遠してしまっています。でも、さっきamazon.co.jpを見たら英語版が1冊だけ出ていたから、この機会にチャレンジしてみようかな。

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2007年2月28日 (水)

アルセーヌ・ルパンのフランス-カナダ合作TVアニメ

 いまどきの「YouTube」では、日本ではまずお目にかからないような海外のアニメーションも結構Upされていて、見出すと止まらなくなってしまいます。特に最近は、ルクセンブルグのKronosiakさん(→サイト『:: ANAMNESIAK ::』)のUpされるフランス語圏のTVアニメのオープニングやエンディングを眺めていたのですが、その中で気になったのが、アルセーヌ・ルパンのTVアニメのオープニング。

▼Les exploits d'Arsène Lupin
arsene_lupin.jpg
 …本家フランスのTV局「TF1」よりお届けの、1996年に放映されたフランス-カナダ合作アニメだそうです。カナダ版の英語題は「Night Hood」。(参照:imdb.comのこちらこちら)。何だか「ルパン三世」を彷彿させる……?しかし、私の中に去来する既視感の原因はそれだけじゃあない……と、クレジットをよく見てみると「REALISATEUR(監督)」に「PASCAL MORELLI(パスカル・モレリ)」というお名前が。ああそうか。「Corto Maltese」のアニメ映画の監督さんだ。

▼Corto Maltese: La cour secrète des Arcanes(cinemovies.frより)
corto_maltese_film.jpg
 …邦題「コルトマルテーズ 皇帝(ツアー)の財宝を狙え!」(→公式サイト

 …んーと、あれかな。レトロな時代の美男美女が活躍するアニメを制作する傾向があるのかな。この映画の初公開が2002年ということは、あれから5年。最新作はどんなことになっているのかと、更に調べてみたところ……、ところ………、


▼Shuriken school(制作プロダクションXilam社のページより)
shuriken_school.jpg
 ……思わぬ方向への展開にしばし茫然。立ち直るのにちょっと時間がかかってしまいましたよ。このアニメ、現在トゥーン・ディズニーのJETIX(ケーブルTVやCS放送)で「手裏剣スクール」という邦題で放映しているものです。トレーラーをダウンロードするなら「CATSUKA FORUM」に載っていたこちら(wmvファイル4.77MB)が便利。以前CMだけ見て、あまり興味もわかなかったのですが、今週末にでもチェックしてみようかなと思います。


 ところで、冒頭のアルセーヌ・ルパンのTVアニメの話に戻りますと、このオープニング、すごく格好良く出来ているのですが、前半部のクレジットやシルエットの向こうに見える線画がいまいちで、本編の出来がちょっと不安。果たして、英語題で検索して見つけたキャプチャ画像にちょっとツライものがあったのですが、放映当時に作られたファンサイトの跡地や当時を懐かしむ掲示板やブログでの書き込みなどを見てたら、無性に興味が湧いてきました。amazon.frによると過去にビデオテープが販売されていたらしいのですが(こちらこちら)、DVD化してくれないものでしょうか。



《3月13日追記》
「手裏剣スクール」、先週~今週にかけて3話見てきたのですが、描き込みがやたら細かいけどポップな背景と、可愛いキャラクター達と、微妙に多国籍風味な世界と、ほのぼのしたストーリーがツボにきました!食わず嫌いしてはいかんですね。スタッフのクレジットにスペイン系の名前が多いなぁと思ってちょっと検索してみたところ、原作はスペインのEmilio GALLEGOとJesús GALLEGOの兄弟によるもので(→公式サイト)、制作はフランスのXILAM社(→公式サイト)とスペインのZINKIA社(→公式サイト)の共同制作なのだそうです。

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2007年2月27日 (火)

その後のイローナ

 2006年5月9日付けエントリでご紹介したILONA(イローナ)ちゃんのその後の新曲のご紹介です。

▼"Laissez-nous respirer"(M6kidより)
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 イローナちゃん成長している!そして、一体どうしたのでしょう。目の前の世界は色あせてしまい、皆「Laissez-nous respirer(息をつかせて)」と元気がありません。でも大丈夫。彼女の想像力のパワーは、くすんだ世界を色鮮やかなものへと変えていきます。新イローナズ(?)と共に

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2007年2月26日 (月)

PIGLOO第3弾&第4弾!

 しばらくフォローしていない内に「PIGLOO」の第3弾と第4弾が出ていましたので、まとめてご紹介いたします。

▼ « Ca plane pour moi (Le Twist) » (M6kidより)
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 ロックンロールに恋のバトル。青春しています。まだヒナなのに、おませさん。そして、おちゃめさん。ライバルはリーゼント固めて気合い入っています。この曲はPlastic Bertrandという方のヒットナンバーのカヴァーだそうで、元ネタがyoutubeに上がっていました。歌詞がところどころ微妙に違ってて、原曲を知っている人ならニヤリとするかも。タイトルは「すべてうまくいってるぜ!」ってな感じなんでしょうか。

▼« Moi, j'aime skier »(M6kidより)
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 クリスマスシーズン。素敵なゲレンデの世界へといざないます。曲はビレッジピープルの「YMCA」の替え歌。もしくは西城秀樹の「ヤングマン」。サビの部分は「ワーィ・エム・シ・エ」の代わりに「モァ~・ジェム・ス・キェ(僕はスキーが好き)」と歌っています。

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2007年1月13日 (土)

2006年は成熟の年

ToutenBD.com - Bandes dessinées : "2006, l’année de la maturation"

 2006年のバンド・デシネの動向について、今年の1月1日に、ACBD(l’Association des Critiques et Journalistes de Bande Dessinée、日本語に訳すと『バンド・デシネの評論家及びジャーナリスト協会』)の年間レポートが発表されました。当ブログでは、過去にこちらこちら等で取り上げたことがありました。今回も、pdfファイルのレポートから、気になる部分を抜粋してご紹介したいと思います。2006年のキーワードは「L’ANNÉE DE LA MATURATION(成熟の年)」とのことで、全体的な出版点数の増加と、その中でも、やはり日本のMANGAの増加ぶりが目を引きました。


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1. Maturation de la production(製作の成熟):ヨーロッパフランス語圏の漫画は4130点が出版(その内3195点が厳密な意味での新作)され、前年比14.7%と11年連続で増加し、活気がある。
……2ページ目の解説によると、書籍が年間55,000点発行されるので、漫画の占める割合は7.5%だそうです。そして、2000年からの出版点数の推移の表・グラフが、8ページ目にあります。新作BDに関しては、2000年が1137点で2006年が3195点だから、約3倍!

2.Maturation de l'édition(出版の成熟):225の出版社(2005年は203社)が2006年にBDを出版したが、その内ほんの17社が全アルバムの70%を製作している。

3.Maturation par rapport aux supports (媒体に関連した成熟):これからは漫画は、コンプレックスを持つこと無く、映画に、テレビに、ビデオゲームに、演劇にに、音楽に、或いは文学に目をつける、たとえ、アルバム刊行前の作品を載せるBD専門の雑誌がもう21しか無いとしても。

4.Maturation sur le plan des traductions(翻訳プランの成熟):30のフランス語圏の出版社がなお依然としてより多くの外国の漫画を出版している(1799冊のうち1418冊がアジアから来たもの)。
……9ページ目に、2000年からの全新作の内訳(おそらく“MANGAS”→日本のマンガ、“INDEPENDANTS”→インディペンデント、“GROS EDITEURS”→大手出版社、“COMICS”→アメコミ、ではないかと思います)が載っています。やはり、MANGAの出版点数と占める割合の増加が目を引きます(2000年は227点で20.0%、2006年は1418点で44.4%!)。そして、19ページ目にMANGAの発行部数リストが載っています。「Naruto」「Samurai deeper Kyo」「Fullmetal Alchemist(鋼の錬金術師)」等が人気のようです。

5.Maturation du marché(市場の成熟):85のシリーズがしかるべき高い地位に置かれ、ベストセラーの中に定期的に継続して現れる。
……17ページ目にMANGA以外の発行部数リストが載っています。また、21ページ目にはACBDメンバー公認の2006年のベスト50のアルバムタイトルが挙げられていますので、それぞれ、どんなBDを読めばよいのかの参考になりそうです。

6. Maturation des métiers de la bande dessinée(バンド・デシネの仕事の成熟):1325人の作家がいくつもの仕事を引き受け、そのことが、彼らがその仕事できちんと暮らしていくのを可能にする。


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 ……と、分かる範囲でまとめてみました。私の語学力ではなかなか翻訳・要約が難しいのですが、このpdfファイルは付属の表やグラフが充実しているので、細かい文章が分からなくても、その部分だけ見ていても色々と読み取れて面白いものです。なので、興味のある方は是非是非チェックしてみて下さい。


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2006年12月27日 (水)

バンド・デシネのアニメ化の話題2つ

▼Persepolis
PERSEPOLIS :: SITE COMING SOON
(参照元:THE BEAT
persepolis.jpg
 日本でも翻訳が出ている「ペルセポリス」がアニメ映画化。2007年公開予定。作者Marjane SatrapiとVincent Paronnaudの共同脚本、共同監督だそうです。現在、サイトにはプレスリリース、サンプル画像と、ブログがほんのちょっと。サンプル画像はモノクロで、原作のイメージを上手く伝えています。

▼Time Jam - Valérian & Laureline
Blog Valérian
(参照元:catsuka
timejam.jpg
 長期人気シリーズのBD「VALÉRIAN ET LAURELINE(ヴァレリアン&ロールリーヌ)」シリーズ(シナリオ:Pierre Christin、画:Jean-Claude Mézières )が、日仏合作でTVアニメ化。監督はPhilippe Vidal。2007年放映予定?
 ↓サンプル動画がYouTubeに挙がっています。
 YouTube - Time Jam - Teaser (Valérian & Laureline)
 色々あって原作と大幅に人物の絵柄が変わってしまったため、ファンからは賛否両論。でもまぁ、どんな作品であれ、原作とアニメは別物と割り切るしかないですよね。
 ところで、BD情報誌「Bodöi」のブログの12月25日付け記事に、来年1月に出る原作の最新刊の画像が載っているのですが、コルト・マルテーズもどきの宇宙人が出て来て、私にはこっちのほうがショックでした(泣)。

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2006年12月25日 (月)

パリ-東京-コミックス、1991年

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 部屋を掃除していたらこんな絵葉書が本に挟まっていたので、スキャンしてUPします。1991年に日仏のコミックの展覧会が開催されていた模様です。繊細な絵なのでスキャンが難しい…この絵はシュイッテンかな?


 絵葉書の裏面には、展覧会の案内文が書いてありました。


パリ-東京-コミックス
1991年7月31日(水)→8月26日(月)

フランスを中心として活発な展開を見せている「コミック・ストリップ」は、80年代初頭、世界のアート・シーンに取り残されたかのように沈黙を守っていたパリの不毛な美術状況の中に、極めて独創的でラディカルな姿をとってたち現れました。ヌーヴェル・ヴァーグやフィルム・ノワールの映画、前衛ファッションやパンク・ミュージック、SFファンタジーなどの影響下で、グロテスクでポルノグラフィックなイメージを多用した独特の虚構世界をつくりあげ、メビウスをはじめ何人ものスターを生み出しています。
一方東京ではテレビ、歌謡曲、漫画といった無限に膨張を続けるサブ・カルチャーのかたわらで、破壊の衝動や冷静な社会の証言者的視線、そしてノスタルジックなタッチを合わせ持った新しいタイプのコミックスが自然発生的に誕生しました。文化的混沌を映し出す多様な語り口は、昭和初期のモダニズム絵画、文学、大衆映画まで、あらゆる社会現象に起源を辿ることができます。
大衆芸術と美術の互換性を探る大規模な展覧会がパリとニューヨークであいついで開催され、大衆芸術を美術史の一つの側面としてとらえ直す試みの中で、コミックスの新しい可能性がますますひろがりつつあります。パリ、そして東京という20世紀末の文化発信都市を舞台にくりひろげられる「パリ-東京-コミックス」、どうぞご期待ください。

 第1会場がアール・ヴィヴァン・リブロ(池袋)、第2会場がストアデイズ(六本木)だったとのことで、当時の私はこの絵葉書を本にはさんだまま、すっかり忘れていたのでした。一体どんなものが展示されていたのか、パンフレット等は作られていたのかが気になります。それにしても、当時は「バンド・デシネ」という言葉はまだ一般的ではなかったのでしょうか。

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2006年12月17日 (日)

Sgt. Kirk(Sargento Kirk)

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 前々回のエントリで取り上げた「Corto Maltese:La ballade de la mer salée」の初出誌「Sgt. Kirk」について。この雑誌は1967年から70年代にかけて発行されたものですが、今でもイタリアのebayでよく見かけます。誌名「Sgt. Kirk」のもととなったのは、Hugo Prattが在アルゼンチン時代の1950年代に描いた西部劇「Sargento Kirk(カーク軍曹)」です。シナリオはHéctor Germán Oesterheld(1919-1977)。スペインのebayでは、ときどき掲載誌「Hora Cero(ゼロ・アワーの意)」を見かけます。

 アルゼンチンの漫画情報サイト「HISTORIETECA」内の「Biografía de Oesterheld」によると、「Sargento Kirk」の初登場は雑誌「Misterix」1953年、225号。その後、様々な雑誌媒体で長期にわたって連載された人気作品だったそうです。
 Kirk軍曹はもともとは米国の第七騎兵隊の兵士。だけどインディアンの虐殺の現場に嫌気がさして脱走し、インディアンを支援する。1950年代当時の西部劇の約束事とは異なった視点とリアリズムを伴った、革新的な作品だったそうです。

sgt_kirk_noveladas
 でもこの作品、読みたくても現在では入手が困難です。以前、amazon.co.jpで買ったのは小説版でした。漫画版の方はイタリアでもフランスでも絶版状態、最近アルゼンチンで抜粋の廉価版が出た模様ですが、ネット通販サイトで売っているところが見つからないんですよね…

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 BD情報誌「BANG!(2005年、第3号)」のCorto Maltese特集によると、CongSA(Hugo Prattの遺産を管理している会社)で復刊の取り組みはしているそうです。ページ数が膨大でフォーマットが不揃いなために困難だという意見もあるようですが、せめて、過去にLes Humanoïdes Associés社から出ていたもののリプリントを出して欲しい…

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 また、BD情報誌「Bodöi hors série(Bodöi増刊、2002年、第5号)」のHugo Pratt特集には「Sgt. Kirk」誌の発行人であるFlorenzo Ivaldi氏のインタビューが載っていて、当時に関する本を執筆中とのことでした。刊行のあかつきには表紙画像の再録を是非お願いしたいところです。

 Hugo Prattの水彩画は魅力的なものが多いので、たとえ本体が手に入らなくても画像が見たくて、これまでいろんな国の通販サイトやファンサイトをのぞいていました。が、最近になって、最強のHugo Prattファンサイトが誕生しました。アルバムや掲載誌等の画像、リンク集等盛りだくさんです。興味を持たれた方は要チェックですよ!→「Les archives Hugo Pratt」

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2006年12月13日 (水)

Corto Maltese : La Ballade de la mer salée (dessin-animé)

Corto Maltese : La Ballade de la mer salée (dessin-animé)

Corto Maltese : La Ballade de la mer salée (dessin-animé)
監督:Richard Danto, Liam Saury
(2002年、フランス、イタリア、ルクセンブルグ)

 前回のエントリで取り上げた作品のアニメ版。「Corto Maltese」のシリーズには、日本でアニメ映画が公開されたもの(→公式サイト)もありましたが、それとは別にTVアニメシリーズが存在するのです。以前、こちらにまとめたことがありました。で、これはその第1話のフランス版DVDです。このTVアニメシリーズ、イタリアのTV放映情報では毎週90分全8回全10話と書いてあった筈…なんですが、発売されたDVDの情報によると、結局、長いの(90分)が4本と短いの(60分)が2本、制作された模様です。当時長いのが単品で発売されたのでちびちびと3本買っていたところ、DVDボックスが発売。短い方はボックスにのみ収録と知らされた私の立場をどうしてくれましょう。いや全巻揃えるつもりは無かったけれども…

La Ballade de la mer salée (dessin-animé)

 感想はと言えば、TV版は映画版と比べると作りが安くて、正直言ってあまり良い出来とは言えません。音楽や背景の美術は良いのですが、人物の絵と動きがいまひとつ良くないです。ただ、原作をアニメ化する際にどこを削ってどこを補うかという点では面白いアレンジをしていたので、個人的には気に入っています。この第1話については、Escondida島の島民の描写を増やしているのが興味深かったです。セリフはところどころ原作と同じなので、それを頼りに聞き取ろうとしています。原作と違う部分はお手上げなんですが、繰り返し聞いていると(時々BGM代わりに聞いています。音楽が盛り上げるので、ドラマチックでわくわくします。)たまに聞き取れることもあり、そんな時はすごく嬉しいものです。

 本国の「Corto Maltese」公式サイトでは、左下のスピーカーのマークをいじるとアニメのサウンドトラックが聞けます。約30分強と太っ腹なサービスであります。音楽を単体で聴いても、色々と喚起されるものがあります。音質が良くないのが残念ですが、そこまで贅沢を言ってはいかんですね。それにしても、未だにTV版の情報が載ってないのは何故…?

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2006年12月 4日 (月)

Corto Maltese:La ballade de la mer salée

▼仏語版▼英語版
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Corto Maltese:
La ballade de la mer salée
(仏語版、casterman社、2000年刊)
Ballad of the salt sea(英語版、the harvill press社、1996年刊)
(コルト・マルテーズ:塩辛い海のバラード)
作者:Hugo Pratt(ユーゴ・プラット、1927-1995)
初出:「Sgt. Kirk」No.1(1967)-No.20(1969)(イタリアの雑誌、原題:Una ballata del mare salato
(初出のデータは、こちらのページを参考にしました)


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《あらすじ》
 1913年11月から1915年1月にかけて、世界最大の海・太平洋で起こった出来事。
 Raspoutine(ラスプーチン)を船長とする双胴船がオセアニアを航海中、難破船に遭遇する。生存者はいとこ同士の少年少女で、名前はCaïn(カイン)とPandora(パンドラ)と言った。Corto Maltese(コルト・マルテーズ)はRaspoutineと共に、オセアニア周辺海域(フィジー、サモア、トンガ…etc.)の原住民を船員に用いて船舶を襲って燃料や金品を奪う、いわゆる海賊だった。CaïnとPandoraは身代金目当ての人質として監視下に置かれる。
 海賊の頭領は「Le Moine(モワーヌ、修道士)」と呼ばれる、頭巾で顔を隠した謎の西洋人。誰も知らない秘密の島「L'Escondida(エスコンディーダ、スペイン語で"隠れた(英語で言うところのhidden)"の意味)」を根城に、原住民を近代兵器で武装させて、王として君臨していた。
 Moineは第一次大戦直前のドイツ軍と手を結び、イギリス船を襲撃して得た石炭や基地用の土地を提供することになった。ドイツ軍からはSlütter中尉(スリュッテール)が派遣される。
 こうしてEscondida島を舞台に、様々な国家・民族の人々が集結し、対決やドラマが生まれる。しかし、やがてイギリス軍にその存在を知られることになり…


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《感想など》
 「Corto Maltese」はイタリアやフランスを始めとする、ヨーロッパで人気のシリーズ。これはその第1話です。日本やアメリカで流行らなかったのは、ひとえに絵が荒っぽいからではないかと思うのですが(格好良いなぁと思うときもあれば、もうすこし落ち着いて描いてくれないかと思うときもあり)、セリフをじっくり読んでみると、いやなかなか面白かったです。

 得体の知れないMoineやイギリス人のCorto、ロシア人のRaspoutine、日本からの脱走兵Taki Jap(タキ・ジャップ)等、祖国を捨てた男達の集うEscondida島は一種異様な世界。作者のHugo Prattはコンラッドやスチーブンソンの小説に影響を受けているそうなんですが、Escondida島で暮らす原住民達は小説「闇の奥」とは違って、参謀のCranio(クラニオ)や世話係のSbrindolin(スブリンドラン)を筆頭に明朗快活でしたたかさを持ち、西洋人から学んだ知識を吸収して密かに独立の時期を伺っています。そんな中、戦時下の大国の思惑に翻弄されるドイツ人将校Slütterや、この異様な世界の人々との交流を経て成長していくCaïnやPandora、これらのドラマを包み込む海と神秘的な交流を持つマオリ族の少年Tarao(タラオ)が語る物語等、この1冊には多くの魅力が込められています。
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 最初、パラッと全体を一瞥してみたところ「何か血の気の多い話だな」と思ったのですが、その大きな要因のひとつに、Corto Malteseが計4回、殺されかかっているというのが挙げられます。Corto Malteseという男は、やけに殺意を沸かされるキャラクターと言えると思います。でも、至近距離から弾丸を食らっても崖から突き落とされてもケガしただけでピンピンしているとは、非常にタフです。しかも、そういう相手と友情を交わす場面もあり、その懐の深さや楽天的なところは常軌を逸しているようにも思います。Cortoに限らず、描かれるキャラクターや出来事及び絵柄には、日本のマンガを読み慣れた身には常軌を逸した所が多々見受けられて面白く感じました。しかし、20世紀初頭を舞台として、国家や民族や人種やイデオロギーのぶつかり合いの混沌とした世界の中で様々な葛藤を経て交わされるセリフの数々には、心に染みるものがありました。エキゾチックな世界の中、漫画の娯楽的な要素と、シリアスかつシビアな題材とが混ざり合って、この作者独特の世界を構築しています。また、日本のマンガ用語で言うところの“キャラが立っている”ところにも惹き付けられました。
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 私はフランス語版(白黒版)を何年か前にAmazon.frで買ったのですが、A4サイズ163ページというボリュームの上にフランス語がびっしりと書かれているコマもあって、読みこなすのに難儀していた所、ネット古書店Abebooksで英語版(状態が悪かったので安く買えた掘り出し物)をゲットしたので、その助けを借りて読み終えました。英語版は長らく絶版になっていましたが、この度、何と、アメリカはHeavyMetal社より翻訳し直して刊行されるのだそうです(→詳細はこちらや、こちらなど)。判型が小さくなってしまうというのが残念なんですが、興味のある方はこの機会に是非ご一読を。まだAmazon.comにもAmazon.co.jpにも上がっていないんですが、入荷して欲しいものです。

 「Corto Maltese」は約20年間続いた長期シリーズなので多くのアルバムが刊行されていますが、最初にどれを読むかといえば、やっぱり、この第1話がおすすめです。シリーズ最後の方は絵が更に荒っぽくなってしまっているので、ページをにらめっこしながら辞書を引いている身には辛いものがあります。でも、どんな事が語られているかが非常に気になるので、セリフとかスラスラ読めるようになりたいものです。

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2006年9月17日 (日)

「Spirou et Fantasio à Tokyo」発売直前情報!

 当ブログ6月25日でご紹介した「Spirou et Fantasio」シリーズの最新刊が2冊、いよいよ9月20日に発売されます。現地のBD情報サイトには関連記事がたくさん挙がって来ているのですが、その中でも、特に目をひいた話題を2つ、ご紹介いたします。

▼Actualités - Exposition Munuera, Morvan et Ooshima -
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 BD情報サイト「ToutenBD」8月31日付け記事より。2冊のアルバムの原画展で、販売もするそうです。画像が豊富にUPされていて堪能できます。開催元の「Galerie Daniel Maghen」というギャラリーは他にも沢山のBDの原画を展示・販売している模様です。色々と眺めている内に、お気に入りの作家に出会うかも知れませんね。

▼Spirou et Fantasio(M6kid)
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 こちらは「ToutenBD」8月16日付け記事で知りました。TVアニメが放映されているという事で、サンプル動画や画像がUPされています。動画は「Extraits」をクリックすると別窓で再生されます(でも『Grand format』の方しか再生出来ないような気が…)。オープニングは音楽・アニメ共にサスペンス仕立てで盛り上げるのですが、ポーズの取り方とか、ちょっと古いような気がします。どうやら、tf1の日本語ページによると1993年の制作みたいです(こちらのページの方は、現在、動画が再生されなくなっているようです)。
 セリフが全然聞き取れなくて悲しいのですが、途中「global japonais」と言っているような…?何故唐突に日本のことが…?あと、Spirouが青年になって可愛くなくなってしまったのが残念ですが、ちょこまかと雪だるまを作るリスのSpipが可愛いくて良いです。

 さて、この度発売されるのは、以下の2冊のアルバム。
「Spirou et Fantasio à Tokyo」:Jean-David Morvan氏のシナリオとJosé-Luis Munuera氏の作画によるBD。
「Le guide de l'aventure à Tokyo」:Morvan・Munuera両氏にジャーナリストのBoris氏の3者による日本探訪記。こちらの方に、Jean-David Morvan氏のシナリオとオオシマヒロユキ氏の作画によるMANGA版「Spirou」が収録されているのかな…?
 そのうち、取り寄せたら感想を書きたいと思います。まずは、先々月に入手した雑誌「SPIROU HEBDO」の方から取りかかる予定です。
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《2007年5月20日追記》
フランスのアニメや子供向け番組のデータベースサイトに「Planète-Jeunesse」というのがあるのですが、それによると「Spirou」のTVアニメは「Spirou」「Spirou & Fantasio」の2種類あるそうで、私が上に挙げたのは2006年製作のものだそうです。「ちょっと古いような気が」なんて言っちゃってごめんなさい。。。

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2006年6月27日 (火)

雑誌「SPIROU」と「Petit Spirou」

 前回のエントリで取り上げた、フランス語圏の老舗漫画雑誌「SPIROU」ですが、私、一度だけネット通販で買ってみたことがありました。

 その通販サイトは「Pressedefrance.com」といい、様々な雑誌の新刊を扱っています。真ん中のメニューを「Culture & Arts」→「BD」とたどっていくと、BD雑誌のリストが出てきます。また、この通販サイトは、BD情報サイト「Actua BD」の一番下のリンク「Commande Magazines」からアフィリエイトのリンクが貼ってあるようです。この時の送料は、本誌2,3ユーロ(155グラム)につき5.2ユーロで計7.5ユーロでした。

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 これは今年の1月末に発売された第3537号。「Actua BD」の1月24日付け記事によると、この号からリニューアルし、30万部発行されたとのことです。ページと値段がちょっとだけ増えたんですが、記事の下の方のコメント欄を見ていると、あまり評判は良くなかったような…その後どうなったか、気になります。内容はといえば、1ページ~7ページの短い漫画が、新作・再録あわせてギッシリ詰まった感じでした。その大半がユーモラスな作品でした。

 表紙のキャラクターは「Petit Spirou(ちびスピルー)」といい、Spirouの息子が主人公のギャグ漫画。作者は「Spirou et Fantasio」シリーズの先代の作家、Tome(シナリオ)&Janry(画)のコンビです。 この表紙の写真、女の人のお腹にペイントしていて、Tome・Janry両氏の作業風景が載っていました。ちびスピルーはいたずら盛りで少々色気づいた年頃の男の子なんですが、作者もまた然り、ということなのでしょうか。うーん…
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 「Petit Spirou」の公式サイトは以下の通り。
Le Petit Spirou
 この中に「La naissance du Petit Spirou!(ちびスピルーの誕生!)」という漫画が載っているのですが、なんと出産の場面を描いています。父スピルーの誕生(→こちら)のファンタジーっぽいのとはえらい違いで、時代の変遷を感じさせました。

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2006年6月25日 (日)

雑誌「SPIROU」公式サイトにて

 現在、ベルギー~フランスの老舗漫画雑誌「SPIROU HEBDO(週刊スピルー)」の公式ページが、エラい事になっていますよ。

▼--- SPIROU POINT COM ---
spirouhebdo3559.jpg

 この「SPIROU HEBDO」という雑誌は、当ブログ1月26日1月30日2月7日のエントリで取り上げた、ベルギー生まれの老舗漫画「Spirou et Fantasio」の掲載誌。といっても、近年のメインキャラクターは「Le Petit Spirou(ちびスピルー)」で、「Spirou et Fantasio」の方は、新作アルバムの発表時に登場している模様です。
(ところで、BD情報サイト「Actua BD」によると、版元のDupuis社は2004年6月にフランスの出版社のグループ「Media Participations」に買収され、最近内紛が起こっていたようなのですが、もう落ち着いたのでしょうか…)

 冒頭の画面は来週発売の第3559号の予告で、日本特集なのだそうです。表紙はオオシマヒロユキ氏による「Spirou MANGA」、マウスポインタを当てると、José Luis Munuera氏による「Spirou et Fantasio」の次のアルバム(第49巻)の表紙イラストが表示されます。「Spirou MANGA(まだ仮題だそうです)」に関しては「HardcoreEntertainment(オオシマヒロユキ氏と猪原大介氏のサイト)」に詳細が載っています。

 私が1月26日のエントリで「(『Spirou one-shot』シリーズに)もしかして日本のマンガ家も参加するという話が……?)」と書いたのはこの事だったのですが、少々予想が外れてしまいました。実はあの頃「SPIROU HEBDO」編集部のブログ「:::: LA REDAK EN VRAI ! ::::(真実の編集部!って意味でしょうか…)」を見ていたら、2005年12月にSpirouご一行様が来日して、あちこち巡ったり、ジャンプのイベントに現れたり、MANGAKAに「Spirou façon manga(manga風Spirou)」を描いてもらってたりしていたのを見て、そのように思った次第でした。あの時の訪問の成果がいよいよ形となって現れるのですね。なんだか楽しみです。

 また、BDフォーラム「Spirou 49」では、「Spirou et Fantasio」シリーズのシナリオライターJean David Morvan氏(ハンドル:JDMorvan)や作画のJosé Luis Munuera氏(ハンドル:jlmunuera)を交えて、様々なやり取りがなされています。雑誌連載の代わりに、こうやって読者の反応を見ているのでしょうか。私は恥ずかしながら、ここで展開されているフランス語はほんのちょっとしか理解出来ませんが、時折UPされる画像を眺めるのは楽しいものです。Munuera氏の絵なら30ページ目や43ページ目に載っているロボット絵が面白いなと思いました。メカを描くのが上手いですよね。また、オオシマ氏の絵が載っているのは、31,35,45ページ目のあたり。私は、初めて登場人物の瞳の色を知りました。これまでのどの作品を見ても(もちろん全部見た訳ではありませんが)いつも黒丸で描かれていましたから。

 「Spirou et Fantasio」の次のアルバムについては、もう予告編のアニメーションが出来ているとのこと。
>>> starsdumag SPIROU
(真ん中の絵をクリックすると、flashアニメがスタートします。nessさんに教えて頂きました。有り難うございました!)

 更に「アニメ!アニメ!ビジネス」3月20付け記事によると、この「Spirou」シリーズは中仏提携でアニメ化の計画があるそうです。これらBD、MANGA、アニメは果たして日本にもやってくるのか、気になります。個人的にはBDのダイジェスト版を出してくれると有り難いのですが…(さすがに、アルバム49冊プラス番外編4冊を買って読むのは無理なので…)

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