イギリス

2011年11月22日 (火)

『1001 Comics You Must Read Before You Die』特設ミニサイト

 アメコミくえすと・ブログ11月4日付け記事で紹介されていた『1001 Comics You Must Read Before You Die』という本。世界中から選んだ「死ぬ前に読んでおきたいコミック1001作品」とのことで、どんな作品がチョイスされているか知りたいものだなぁ、でもこの本買うには高いし英語の文章読むのしんどいし、リストだけでも分かれば……などと図々しいことを思っていたところ、編集者であるところのPaul Gravett(ポール・グラヴェット、イギリスの方)氏のウェブサイト(→こちら)に特設ミニサイトが設けられているではありませんか!

▼Paul Gravett | 1001 Comics
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 作品リストは、レビュワー別・作品別・作家別(出身国別)・年代別・国別・ジャンル別と、実に細やかに区分けしたものが用意されていて便利です。しかも、書影を追加したり(Updates欄)、コメントを募る(Have Your Say欄)という、細やかな気配りも!

 コメント欄には、何でこの作品を載せる/載せない、作品の国籍(単純に初出の国という訳でも無いのですね…)の他、掲載されたことのお礼(『オールド・ボーイ』の作画をされた嶺岸信明氏のお嬢さんの書き込み)がありました。もしかしたら、掲載作品の作者に通知しているのでしょうか?『ぼのぼの』と作者いがらしみきお氏の総合サイト、ぼのねっと11月15日付け記事にも、この本のことが紹介されていました。


 国別のリストを眺めていると、実に多くの国々から集められているので驚きます。英語に翻訳されているものばかりではないでしょうに、集めるのも読むのも、そして、しまっておくのも大変かと思います。ところどころ、当ブログで紹介されている作品もあって、ちょっと嬉しくなりましたし、見知らぬ名作を探すときの参考になりそうです。邦訳されている作品も多く、もしかしたら今後邦訳される作品も出てくるかも?また、リストをよくよく眺めていると、コメント欄の書き込みをした方々と同様「何であの作品が取り上げられていないのか」「何でこの作品が取り上げられるのか」と思うものもあり、とりわけ日本のマンガに関しては色々な意見が出てくると思います。個人的な感想としては、Paco Rocaが取り上げられていないのが残念。また、東南アジアの作品が少ないのが印象に残りました。


 ……と、こうして私は本も買わずにネット上に挙げられたリストを堪能していたのですが、ふと画面右下に目をやると、見覚えのある画像が。以前買った『The Mammoth Book Of BEST CRIME COMICS』というハードボイルドコミックのアンソロジー集(→こちら)を編集されたのは、この方だったのですね。今頃気がつきました。このアンソロジー集は、後日あらためて取り上げたいと思います。


(最終更新日:12月05日)

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2008年10月31日 (金)

フランス語でペンギンを何と言うか(後編)?

 前回のエントリの続きです。一連の調査の過程で見つけた、ペンギンさんに関する興味深い話題を二つご紹介します。いつの時代にも、どこの国でも、ペンギンさん達は魅力的に描かれているのが分かります。


▼Pip, Squeak and Wilfred(ピップ、スクィーク、そしてウイルフレッド)
《参考リンク》
Pip Squeak & Wilfred's Pages
PIP, SQUEAK AND WILFRED

 『ペンギンは歴史にもクチバシをはさむ』(上田一生・著、岩波書店2006年刊)という本を読んでいたら、188頁に興味深い記述を見つけました。1923年(大正12年)に「東京朝日新聞」で連載が始まった『正チャンの冒険』シリーズ(織田小星と東風人との合作)は、英国の新聞連載漫画 『Pip, Squeak and Wilfred』に着想を得たものなのだそうです。確かに、この件についての参考文献である『はじめて学ぶ日本の絵本史Ⅰ 絵入本から画帖・絵ばなしまで(鳥越信・編、ミネルヴァ書房2001年刊)』には一章を設けて『正チャンの冒険』について詳しく書かれているのですが、298頁にその辺りの記述がありました。『正チャン~』といえば、数年前に復刻本が出たときに、そのタイトルといい画風といい『タンタンの冒険』に似てるかも…?でも『正チャン~』の方が古いし…?などと言われたものですが、モデルとなった外国漫画は別なところにあったのですね。

  『Pip, Squeak and Wilfred』は、雑種犬のPip、ペンギンのSqueak、ウサギのWilfredが登場する、英国の新聞「Daily Mirror」で1919年5月11日に連載が開始された漫画。これらのキャラクターを考案したのは、子供向けコーナーの編集者Bertram J. Lamb(通称Uncle Dick)。当初はPipとSqueakのみ、翌年にWilfredが登場。Pipは父親っぽい役割で、Squeakはハンドバッグを手にした母親っぽく、Wilfredは'gug'や'nuc'といった赤ちゃん言葉しか喋れない赤ん坊なのだそうです。1938年にB.Lambが亡くなった後は、「Daily Mirror」紙で彼のアシスタントをしていたJohn Freemanがストーリーを提供。一方、作画は、1919年~1953年(第2次世界大戦により1940年6月に中断、1947年に再開)にはAustin Bowen Payneが担当し(時折、H.F.Pothecaryが手伝う)、1953年にPayneが引退した後はHugh McClellandが1955年の最終回まで引き継ぎました。様々なキャラクターグッズが作られ、年鑑が発行され、「Wilfredian League of Gugnuncs」という結社が組織されてチャリティー基金を創設する等、大人気を博した作品だったようですね。また、サイレント映画のシリーズがLancelot Speed監督によって作られたそうで、漫画と併せて、こちらも見てみたいです。


▼Histoire naturelle, generale et particuliere(一般と個別の博物誌)
《参考リンク》
(その1)
Buffon et l'histoire naturelle : l'édition en ligneより、
Tome Vingt-quatrième. 1783.の中の、
Les Pingouins et les Manchots ou les Oiseaux sans ailes.
(その2)
貴重資料画像--京都大学電子図書館より、
一般と個別の博物誌 / ビュフォンの中の、
京都大学医学図書館所蔵資料 『Histoire naturelle, generale et particuliere, oiseaux (T.1-18)』 [9, 228/344]

 フランスの博物学者Buffon(ビュフォン)による大著。1749年からビュフォン没後の1804年まで全44巻が刊行されたそうです。ペンギンさんのフランス語訳である「manchot」の語源を探すと、前エントリで挙げたBrisson(ブリッソン)の『L'ornithologie(鳥類学)』ではなく、こちらの本が出典に挙げられていることがありました。日本の書籍では『世界代博物図鑑(4)[鳥類](荒俣宏・著、平凡社)』の32頁に出て来ます。『一般と個別の博物誌』の原文はネット上にテキストデータが載っているので、「Les Pingouins et les Manchots ou les Oiseaux sans ailes(Pingouin達とManchot達、或いは翼のない鳥達)」という章をプリントアウトしてザッと目を通してみたのですが、どうにも『世界代博物図鑑~』で言っている「そして、北のペンギン<オオウミガラス>を従来どおりのペンギンとし、南極産のものをマンショmanchot(のろまの意)と名づけた.」に相当する文章を見つけられませんでしたし、「manchot」に果たして「のろまの意」が有るのか疑問に思いました(不器用の意は有るようですが)。でも、私には『L'ornithologie』の原文を入手することも、『一般と個別の~』の原文ををくまなく読むことも不可能でしたので、このあたりは、うやむやのままに記述するにとどめます。しかし、これだけは言えるのですが、京都大学のサイトにupされている『一般と個別の~』の挿絵は素晴らしく、また、家にいながら18世紀の書物にアクセスできるというのは、何と有り難いことでしょうか。

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2006年5月10日 (水)

New Internationalist & NIジャパン 2006年3月号

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New Internationalist & NIジャパン 2006年3月号
『社会と政治に対する漫画の影響力 Cartoons & comics』
ニュー・インターナショナリスト・ジャパン ウェブサイト
紹介ページ

 マンガ学会のサイトの新刊情報で知りました。紹介ページによると「英国のニュース雑誌の英語版&日本版です。今回の号は海外の漫画を豊富に掲載して分析しています。」とのことでした。

 この間の連休前に新宿御苑の新宿門近くにある模索舎というミニコミ.少流通出版物取扱書店で購入したのですが、上記ニュー・インターナショナリスト・ジャパンのサイトによると、現在の在庫は日本語版冊子のみとのこと。ご紹介が遅れて済みません。。。感想はまた後ほどupします。

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【2006年6月6日追記】

 表紙に描かれた3人の人物は、大きなペンを剣に、画板を盾にして突進しています。ここから分かる通り、この雑誌の特集では漫画を戦略的なツールととらえています。その目的は風刺、啓蒙、政治活動等であり、漫画を用いることによる効果とノウハウ、及び問題点を分析しています。

 何といっても漫画は視覚に訴えるものですから刺激も強く、何らかのメッセージを伝えたい者にとっては強力な武器となるでしょう。しかし一方でリスクもあって、ここでは、或る風刺漫画が時の権力者の不興を買って作者の生命が脅かされる事例や、ステロタイプが流布することで偏見が助長された事例が取り上げられていました。その他には、効果的にメッセージを伝えるにはどうすれば良いか、ちょっとした注意事項の数々や、メディアとしてのポスターや小冊子の作り方、ワークショップの事例が紹介されていました。

 日頃から漫画に馴染んでいる身には当たり前に思えることもありましたが、それ以上に、海外における漫画への熱心な取り組み姿勢に強い印象を受けました。識字率の低い国や多言語国家は漫画のビジュアル効果を切実に必要とし、また多文化だからこそ気を付けなければいけないこと(例えば、コマを横に並べた場合に国によっては逆に読まれてしまうとか、ある種のステロタイプ表現が他の文化圏の人々を侮辱する場合もあり得る等)があるというのは、案外気付きにくい点なので、勉強になりました。

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2006年5月 8日 (月)

世界各地のシトロエンのコマーシャルより

 フランスのシトロエンという自動車メーカーは、展開先の国々で漫画・アニメ・特撮に関連したコマーシャルを作っているようです。そこで、いっちょまとめてみました。

▼イギリス・日本等
シトロエン C4 がクリックで変身する、踊る!! …写真蔵
The Embassy Visual Effects Inc(movムービー)
…ロボット変形CM。こちらのブログで知りました。日本でも放映されていたとのことですが、私は残念ながら見たことがありません。

▼スペイン
C4 El Rey de la Jungla
…いきなりコマーシャル動画がスタートします。頭部が動物の人物が往来する映像。別に何かのタイアップという訳では無いようですが、とあるスペインの漫画情報ブログで「『Blacksad(ブラックサッド)』の影響か将来の映画化のテスト版か…」と言われてました。「ブラックサッド」は昨年日本でも翻訳が出た、人気バンド・デシネ。作者はスペイン人。【2006年6月6日、リンク先等修正】

▼フランス
France : Citroën imagine la voiture de 2054
…今年3月にフランスで公開された、BD原作のアニメーション「Renaissance(→公式サイト)」とのタイアップ映像。日本語による紹介はフランス在住の方のブログ(→こちら)が参考になりました。日本でも公開するかな?

▼イタリア
Citroen C2 Batman - Yahoo! Auto
Citroen C2 Batman
…イタリアの自動車情報サイトより。BATMANのエンブレムで飾ったデザイン。以前はシトロエン公式サイトに特設サイトがあったのですが、残念ながら無くなってしまいました。バットマンそのものは一切が出てこなかったのが印象的だったのですが…

▼ポルトガル
Pub Citroën / Cowboy Bebop
…フランスのマンガ・アニメ情報サイトより。何故、ポルトガルで日本のアニメが。これまた、残念ながらシトロエンの特設サイトは無くなってしまいました。主人公の顔の描き方がちょっと変なんですよね。うーん…

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