日本

2010年6月14日 (月)

国際フランス漫画館のWEBサイトより

 前回のエントリで、「メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス」のWEBサイト内の「フランス漫画の聖地アングレーム-「国際漫画フェスティバル」に沸く町-」というコーナーについてご紹介しましたが、そのページのサイドバーに国際フランス漫画館のURLが載っていたので、早速クリックしてみました。


▼Portail de la Cité internationale de la bande dessinée et de l'image
citebd.jpg
 館内情報や催し物情報など盛りだくさんの情報量。恥ずかしながら、フランス語の洪水に頭がクラクラしちゃうのですが、貴重なコーナーを見つけました。
 「collection(コレクション)」コーナーの中に「collections numérisées(デジタルコレクション)」というコーナーがあるのですが、その中に、古典の名作であり初めて本格的にフキダシを用いたBD作品「Zig et Puce(ジグとピュス)」のアルバムが閲覧出来るのです!
 「collections numérisées」のページから「Alain Saint-Ogan」の名前をクリック
   ↓
 「Fonds Alain Saint-Ogan」のページから「Accés au logiciel consultation」をクリック
   ↓
 「Biographie de Saint-Ogan」のページから「Feuilleter les albums(アルバムを開く)」をクリックするとアルバムが、「Feuilleter les cahiers manuscrits(自筆ノートを開く)」をクリッックすると創作ノートが読めます。ただ、回線速度が遅いと表示に時間がかかります。また、それぞれのページに断り書きや解説が表示されているのですが、すみません、今のところちゃんと読めていません。なのでご利用の際には各自でご注意下さいますよう、よろしくお願いいたします。ともあれ、まだ著作権も切れていないと思うのですが(作者のAlain Saint-Ogan(アラン・サン=トガン)は1974年没)、太っ腹なサービスです。二人の少年と一羽のペンギンのやんちゃな冒険がいつでも見られると思うと、とっても嬉しいです。



 ところで「Zig et Puce」については当ブログで過去にこちらこちらこちらで取り上げてきましたが、そのあらすじ紹介の部分が、河出書房新社発行の書籍『ペンギンのABC(ペンギン基金・著)』の「Z」の欄で活用されたとのことです(→ペンギン基金販売物サンプルページ)。『ペンギンのABC』とは、ペンギンにまつわる雑学や図版をアルファベット順に展開した、楽しい本。細かい雑学の数々に作者の皆様のペンギンさんへの愛を感じ、きれいな図版にうっとりします。なお、売り上げの一部はペンギン保護活動にも充てられているとのことです。私のブログ記事が、ささやかながら、ペンギンさん達やペンギンさんを愛する人々のお役に立てたなら、こんな素敵なことはありません。

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2010年6月13日 (日)

メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランスのWEBサイトより

 銀座に「メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス」という、フランス美術館の情報センターがあるそうなのですが、そのサイトの中に、BDの町・アングレームについて詳しく特集されていたので、ご紹介します。

▼フランス漫画の聖地アングレーム-「国際漫画フェスティバル」に沸く町-
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 フランス漫画博物館(Musée de la bande dessinée)の館内やコレクション、今年の1月に開催された第37回アングレーム国際漫画フェスティバルの模様などが良くまとまっています。日本にいながらにして現地の模様を体感できるのは、とても有り難いです。また、「2.過去と現在の漫画をめぐるコレクション」には様々な名作の原画が紹介されていて、その中には過去にこちらこちらこちらこちらで取り上げた「Bécassine(ベカシーヌ)」の原画も。ところで、過去記事で「Bécassine」の作者をEmile-Joseph Pinchon(エミール=ジョセフ・パンション)と書きましたが、正確には、シナリオは当初Jacqueline Rivière(ジャクリーヌ・リヴィエール)で後にCaumery(コームリー)、作画はPinchonでその死後Jean Trubert(ジャン・トリュベール)に引き継がれたり、その他にも複数の人が関わっているみたいですね(参考:仏wikipedia)。(また、本筋から離れますが、検索中に見つけたページに、Bécassineのアニメのワンシーンと原作BDとの関連を想起させる画像を発見しましたので、取り急ぎご報告いたします。→こちらの一番下の画像)


 話題をメゾン・デ・ミュゼ・ド・フランスに戻しますと、地下1階のインフォメーション・センターでは所蔵図書も閲覧できるとのことで、検索してみるとBDのアルバムもある模様で、いつか行ってみたいです。なんといっても気になるのが、この「トイ・コミックス(TOY COMIX)」

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2010年4月 6日 (火)

オンライン語学学習サイト2つ

 外国の漫画を読むのにあたって、やっぱり必要なのが語学能力。一時期頑張って勉強したのに、ここ数ヶ月さぼっていたら、ただでさえ心許ないのに、かなり忘れてしまってブログの更新もままならない今日このごろ。そこで、最近自習に用いている語学学習サイトを2つ、ご紹介します。


▼東外大言語モジュール
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 東京外国語大学大学院による学習サイト。現在、20ヶ国語に対応しています。発音・会話・文法・語彙とメニューも豊富で、ネイティブの発音もバッチリ聞けます。なお、文法モジュールの問題を解くときは、その言語の文字フォントが必要。


▼NHK語学番組 ラジオ番組ストリーミング
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 NHKラジオの語学番組が一週間遅れで一週間分upされています。好きな時間に聞けるし、うちのラジオは電波状況が悪いので、音質が安定しているのが有り難いです。でも、いつでも聞けると思うと、あっという間に一週間が過ぎてしまうので、注意が必要です。

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2010年3月20日 (土)

url短縮サービスに思うこと

 ながらく更新をさぼってすみませんでした。体調をくずしたら精神状態もくずおれてしまったのですが、徐々にブログを再開していこうと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 ところで、最近twitterでよく見かけるのですが、参照元などのurlが実際のものと違っていて、短い文字列で表示されているのは、変換するサービスがどこかにあるのでしょうか。twitterのつぶやきなら文字制限があるから有益なサービスだと思うのですが、未来永劫、変換してくれる保証がある訳でなし、正しいurlが記録されていれば、「Internet Archive: Wayback Machine」に当時の内容が残ることもあるのだから、twitter以外では、特別な事情の無い限りは、やっぱり正しいurlを記しておいた方が、後々のためになると思うのですがいかがでしょうか。

 なぜtwitterの話題を出したのかというと、もちろん、昨今話題となっている「非実在青少年(まとめサイトは→こちら→こちら)」の話題を追っかけていたから。個人的なスタンスとしては、個々のポルノグラフィーに対しては内容いかんでは文句たらたらな私ですが(逆に、内容いかんでは面白がったりする私ですが)、行政で規制すべきとは思いません。だって行政の中の人達を信頼できないから。とはいえ、過去に経験があるのですが、個々のポルノグラフィーに対して批判的なことを言うと、一部の人達から規制賛成派扱いされたり、規制賛成派を利する言動だと言われたこともあり、今回の運動には加わりづらかったです。青少年の健全な育成を目的とするのであれば、もっと性教育とメディアリテラシー教育に力を入れた方が、絶対に良いと思います。その上で、個別の表現に関する問題は、意見を相対する者同士の話し合いの上で、刊行なり流通なりを図るべきだと思います。とはいえ、こんなやり方、まだるっこしい上に、行政に限らず権力を持つ人は、下々の民が自分の頭でものを考えるのを好まないから、嫌がるかも知れませんが。

 もっとも、私が日頃批判的な気持ちになるのは、今回やり玉にあがってるようなポルノグラフィーよりも、もっと別なところにあります。ポルノどころか、良識を持っていると信じて疑わない人々のあいだで支持されている作品群の中にひそむ、ジェンダーバイアスや差別意識の方を苦々しく思うことがあります。文章力が無いので、心の中で苦々しく思うばかりですけれども……。いつか文章力が身に付いたら、いつか何か書くかもしれませんが、その節はどうぞよろしくお願いいたします。

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2009年11月10日 (火)

線が顔になるとき ――バンドデシネとグラフィックアート――

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線が顔になるとき ――バンドデシネとグラフィックアート――
(原題:Lignes de vie, le visage dessiné
著:ティエリ・グルンステン(Thierry Groensteen)
訳:古永真一

 マンガに描かれる“顔”について考察した学術的なフランスの書籍の邦訳。ひとくちに“マンガ”といっても、取り上げる事例はフランス、アメリカ、イタリア、アルゼンチン等多岐に渡っています。もちろん日本のマンガについても、手塚治虫はもとより、白木卓(おそらくはオヤジ向け週刊誌に掲載されたとおぼしきギャグマンガ)に、少女マンガで描かれる大きな瞳、ポケモンのキャラクターデザインと、実に広範囲に言及しているのが面白いです。

 著者は冒頭で、スコット・マクラウドの『マンガ学』を引用します。そこでは、不定形なラクガキであっても目玉を書き込むことで“顔”になることが指摘されています。それだけ人は“顔”を求める、ひいては、人は人を希求するものなのかもしれません。

 古今東西、マンガには様々な“顔”で埋め尽くされています。そこで著者は、それぞれのマンガに描かれる“顔”を分析していきます。観相学、感情学、カリカチュア、類型化、コード化、幼形成熟、クローズアップ……etc、etc。ところどころ難しい文章が続くのでちゃんと理解できているのか心許ないのですが、それでも、マンガがマンガの魅力たらしめている仕組みがどこにあるのかを突き詰めて考察することは、マンガを楽しむ上で、或いはマンガを描く上で、研究する上で、有意義なのではないかと思いました。

 本書にはまた異なる楽しみ方もあります。日本では知られていないマンガ家については巻末に略伝が付いていますので、ちょっとした外国マンガ入門書のおもむきがあります。マンガ家の名前でネットで画像検索してみることで様々な画像を堪能して楽しみました。また、引用されている図版から興味をかきたてられることもありました。例を挙げますと、「フレンチコネクション」という時事マンガからアンドレ・マルローに興味を持ちましたし、本書ではいちばん多く図版が引用されているホセ・ムニョス(画)とカルロス・サンパヨ(原作)のコンビの作品を読んでみたくなりました。

 更に、個人的に大発見だったのは、当ブログ6月29日付け記事で取り上げた『Mort Cinder(モート・シンダー)』の一件。語り部キャラであるEzra Winston(エズラ・ウィンストン)が作画家のArberto Breccia(アルベルト・ブレッチャ)の老後を想定した自画像であるというのは、言われなければ気が付かないところでした。原作者のHéctor Germán Oesterheld(エクトル・ヘルマン・オエステルヘル)の作品を立て続けに読んでいた身としては、Ezra Winstonは原作者の分身であるとばかり思っていたからです。いずれにせよ、Arberto Brecciaは基本的に原作付きの作品ばかり描いていましたし、当ブログ4月20日付け記事で取り上げたドキュメンタリー映画「Imaginadores(イマヒナドーレス)」によると大量の自画像を描いていた模様なので、彼にとって、彼自身が自作のキャラクターなのかなと思ったりもしたものでした。

 ……最後、本書の主旨から外れたところで熱く語ってしまいましたが、本書は読む人の関心事しだいで様々な発見があるのではないかと思いましたし、今後、バンドデシネを始めとする外国マンガの知識が増えた折りにも読み返してみたくなる本だと思いました。

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2009年10月24日 (土)

『ユーロマンガ』vol2とvol3

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 バンドデシネを翻訳して日本に紹介する雑誌。めでたく第3号が刊行されましたので、復習がてら第2号から読み直しました。バンドデシネは日本のマンガと違って、絵もフキダシも高密度。あわてて読むと消化不良を起こすのでご注意を。でも、ゆっくりと味わって読むと、きっとあなたの心の滋養となることうけあいです。

 第2号までは、アメリカが舞台やモチーフとなっていたり、作者がディズニーで仕事をしていた等、作品にアメリカの色合いを強く感じたものですが、第3号になると、ヨーロッパ色が強くなってきました。新しく掲載された作品の中には、フランスの昔と今を伝えるものもあります。思えば、最近の日本のマンガは海外を舞台にするものが少なくなってきました。『ユーロマンガ』を通じて海外の空気に触れることができるのは、とても素敵なことだと思います。この素敵な交流がずっと続きますように。

 また第3号では、私も「スペイン漫画の歴史」というコラムを書かせて頂きました。この雑誌に参加できて実に光栄ですし、執筆の過程で教えを請うたり調べたりして私自身勉強になり、とっても素晴らしい経験でした。

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2009年8月25日 (火)

雑誌「ふらんす」でBD特集

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 今発売中の雑誌「ふらんす」(→公式サイト)9月号で、題して「BDの楽しみ」という特集が組まれていたのでご紹介いたします。とりわけ興味深く読んだのは座談会で、récit(物語)としてBDを読む楽しみや、フランスではクリスマスや誕生日に親から子へのプレゼントとしてBDを贈るという話に、なるほどと思いました。私も当ブログを書きながら少しずつBDを読んでいますが、モノクロ長編のものは辞書を引きながら物語にぐいぐいと引き込まれる楽しみがありますし、ハードカバーでフルカラーのアルバムは確かにプレゼントとして魅力的ですものね。ただ、個人的な悩みとして、どうしても単語が覚えられず何回も辞書で同じところを引いたり、日本語能力の問題もあるのですが、心の中でうまく日本語に変換できなかったりと、密かに悲しい思いをしているので、前回のエントリで取り上げたNHK教育のテキストと併せて、頑張ってコツコツ勉強したいと思います。

 また、最近の「ふらんす」誌は、毎月、表紙と記事でBD作品を紹介していて、今回取り上げられているのは、Lewis Trondhaim(ルイス・トロンダイム)による「Les formidables aventures de Lapinot(ラピノの素晴らしい冒険)」シリーズ最終巻の「L'accélérateur atomique(原子加速器)」。表紙の写真からもお分かりの通り、「Spirou et Fantasio(スピルーとファンタジオ)」へのオマージュで、いつか読んでみたい1冊です。

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2009年8月22日 (土)

NHK「テレビでフランス語」でメビウスインタビュー

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 現在発売中のNHK教育テレビのテキスト「テレビでフランス語」9月号にメビウスのインタビュー誌上再録が載っていたので、取り急ぎご報告。なお、TV放映は8月27日放送、8月29日再放送だそうです。

●NHK語学番組 テレビでフランス語のページ
 「8月27日(木・水曜深夜)午前0時からの放送は、特集番組編成のため午前0時30分からに変更となります。」とのことで、放映時間は念のため事前に確認しておいた方が良いかも知れません。

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2009年7月 4日 (土)

ユリイカ・メビウス特集号

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ユリイカ2009年7月号(通巻568号)
特集 * メビウスと日本マンガ

 当ブログ4月26日付け記事でご紹介した来日シンポジウムの模様や、識者による論文やコメント、詳細な作品紹介と、メビウスに関する情報がギッシリ詰まった一冊。

 5月の来日シンポジウムといえば、明治大学のに拝聴しに行ったものでした。メビウス氏の談話においては、ところどころで二つの要素を挙げて解説するのが印象的でした。曰く、「ブルーベリー」という西部劇というジャンルを何故選択したのかという問いに対して、第二次世界大戦後のフランスにアメリカの文化が流入したことと、逆にヨーロッパ人がアメリカを開拓したという二つの歴史的な関係、また、新しい思想が古い世界を征服する、或いは逆に近代に対して伝統側から抵抗が生じるという二つの側面。曰く、子どもの頃に接した、子ども向けのBDと、大人向けのイラストレーションという二つの世界。曰く、BDの世界の中の、従来からの子ども向けBDと、新たに起こりつつあったハイティーンや大人向けの表現。曰く、自分自身の表現と、市場や編集者からの要求。自分自身を表現することの喜びと恐れ。……等々。

 思えば、それらはペンネームの由来の「メビウスの輪」の両面のような、また、京都精華大学でのシンポジウムで出て来た、一枚絵としての絵画とBDとの違いをどのように意識しているのかの問いに対する答えとして言われた「一本の棒の両端のようなもの」なのかも知れません。ジャン・ジロー名義の作風とメビウス名義の作風もまた然りで、時に異なっているように見えても、その二つはどこかでつながり、一人のBD作家を形作っているのだと思いました。

 ところで、今回の一連のイベントの予告をネットで見かけたとき、京都精華大学 学長室ブログ4月15日付け記事には、企画展のタイトルが「Moebius au pays du Manga」と書いてありましたし、明治大学のシンポジウムのパネラーはユリイカのマンガ批評特集号でよく見かける顔ぶれだし、あくまでも主役は日本のマンガなのかなと思ったものでした。でも、日本のマンガの、とりわけ80年代の重要な作品のいくつかには確かにメビウス氏の画風の影響がありましたし、シンポジウムやインタビューでメビウス氏の語る言葉のひとつひとつには表現者にとって普遍的なものがありました。今後、日本のマンガが発展していく上で、また、外国と交流していく上で、この一連のイベントが良いきっかけとなれば良いなと思いましたし、また、本誌の豊富な記事や論文は充分にそれを補うものだと思いました。

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2009年6月23日 (火)

メビウス画「The story of an idea~赤十字誕生物語~」日本語版!

 当ブログ2008年12月9日付け記事でご紹介した、メビウス(ジャン・ジロー)画による、赤十字の創設者アンリー・デュナン(1828-1910)について、そして赤十字社及び赤新月社の誕生から現在に至るまでの活動について描かれた短編漫画、ついに日本語化されたのですね!日本赤十字社のサイトの中にupされていました。

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●【日本赤十字社】寄付・献血・ボランティア|The story of an idea~赤十字誕生物語~(記事)
●日本語版コミックPDF

 タダで、そして日本語でメビウス画の漫画が読めるとは、なんと太っ腹な!全12ページ(漫画本編は8ページ)だから駆け足ではありますが、赤十字社及び赤新月社について知ると共に、そのバックグラウンドの世界史の勉強にもなりますよ。


《7月1日追記》
 今、本家赤十字の紹介ページを見たら、メビウスのインタビュー記事のページが追加されていました(→こちら)。

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