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2013年2月

2013年2月 8日 (金)

映画『はちみつ色のユン』を観てきました

▼はちみつ色のユン(日本版公式サイト)
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▼Couleur de peau: Miel | Un film de Jung et Laurent Boileau(フランス・ベルギー版公式サイト)
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▼『はちみつ色のユン』予告編(YouTubeより)
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●原作紹介ページ(出版社Quadrants社による)
●原作紹介ページ(bedetheque.comによる)

監督:ローラン・ボアロー, ユン
2012年、フランス、ベルギー、韓国、スイス、75分


 ベルギーのバンドデシネ(漫画)を原作に、アニメと実写を交えた映画。原作者であり監督の1人であるユンが、人生の足跡をたどっていきます。見に行ったのは先週のことなのですが、内容が少々重たいので、感想を書く筆も重くなってしまいました。あらすじの紹介は記憶違いがあるかも知れませんし、ネタバレもあると思うので、どうか読む際はご留意下さい。


 ユンは、韓国からベルギーに養子に貰われた男性。韓国では朝鮮戦争後に孤児が増えたため、アメリカ人女性の発案による国際養子縁組が行われていたとのことです。ユンは5歳の頃、1人で道を歩いていたのを警官に保護されて養護施設に入れられ、後に健康テストに合格して、ベルギーの家族に貰われていきました。行った先は既に4人の実子がいるのですが、当時はアジアから孤児を養子に貰うのが流行りだったのだそうです。新車を買う感覚だったとのことですが、今の感覚ではピンと来ない価値観ですね。後に更にもう1人、1歳の女の子を引き取ります。正直、子供が多すぎなのではと思ってしまいます。

 子供を6人も育てるくらいだから、養子先の家族は裕福そうで、子供達は皆のびのびと育っているように見えます。お母さんは怒り出すと止まらないそうですが、兄弟分け隔てなく接するようにしているし、理想的な家庭のように見えます(それに引き換えうちは…)。ユンが大きくなって悪さをしたり色気づいたりするのも、よくある話に見えます。実際、お母さんから怒られた時「おまえは腐ったリンゴだ」と言われるくだり、日本人の多くは(ある程度の年齢以上かな)、TVドラマ「3年B組金八先生」に出て来た「腐ったミカン」というフレーズを思い起こしたでしょう。

 それでも、ユンの精神状態は不安定で、その描写には痛ましいものを感じました。親が分からないということで、アイデンティティに心許ないものがあるのかも知れません。また、ヨーロッパではアジア人はマイノリティの人種ですし、映画ではサラッと描かれていますが、差別的な目にさらされる事も度々あったのでしょう。大きくなるにつれて日本の文化にカブれていく描写がユーモラスで面白かったのですが、今の日本だと、嫌韓厨が感じ悪い事を言いそうで、また、そんな予感をしてしまう私自身に嫌悪感を感じたりもしました(何でそんな連中に気を使わなきゃいかんのか)。同じアジアの人ということで親しみもあったでしょうし、昔のベルギーのバンドデシネには沢山の日本人キャラクターが登場していたから、お国柄自体が日本文化への関心が高かったという側面もあったのではと推察します。「タンタン」のミツヒラトはもとより、「ヨーコ・ツノ」とか、フォルニエ版「スピルー&ファンタジオ」のイトー・カタという手品師とか、E.P.ジャコブス「ブレイク&モ-ティマー」のサトー教授とか、「タカ・タカタ」という日本兵とか、私がネットで見かけたのはこのくらいですが、他にもいるかも知れません。

 ユンは40歳過ぎて自分のルーツを調べ、韓国を訪問します。自分自身を見つめ、それを自己のものとして認めるまでに、それだけ多くの時間を要したということなのでしょう。後に養子に貰われて来た女の子を始め、韓国人養子の多くに悲劇が起こっているのだそうです。たとえ手厚い養育をしても、養子にとっては、それだけでは解決できない心の問題があるのだと知らされます。私自身の身の回りにはそのような境遇の人はいませんが、不幸にして実の親の分からない子供は世界中にいるでしょうし、そういう子供達の心の問題が少しでも理解され、癒される方向になっていけば良いなと、つくづく思いました。


(最終更新日:2月15日)

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