« 雑誌「ふらんす」でBD特集 | トップページ | BARDÍN el Superrealista »

2009年9月16日 (水)

Corto Maltese : Sous le signe du Capricorne

Corto_Maltese_Sous_le_signe_du_Capricorne.jpg

Corto Maltese : Sous le signe du Capricorne

(コルト・マルテーズ:山羊座の下に)

作:Hugo Pratt(ユーゴ・プラット、1927-1995)

Casterman社、2001年刊

初出:Pif gadget 1970年 58,59,66,75,82,89号

(初出は→こちらを参考にしました)


《あらすじ》

I Le secret de Tristan Bantam(1.トリスタン・バンタムの秘密)

 オランダ領ガイアナのパラマリボにて。Corto Maltese(コルト・マルテーズ)は、Madame Java(ジャバ婦人)の宿に滞在していた。そこに、イギリスはロンドンからTristan Bantam(トリスタン・バンタム)という少年が訪れる。来訪の目的は、異母妹に会うことと、亡くなった父が残した古文書の謎を突き止めることだった。Cortoは、プラハから亡命した考古学者のSteiner(シュタイナー)と共に、Tristanをサポートする。そこに、異母妹のMorgana(モルガナ)の使いで魔術使いの女性や、Tristanの命を狙う者が現れ…


II Rendez-vous à Bahia(2.バイーアでのランデヴー)

 Corto、Tristan、Steinerの3人は、Morganaに会うために航路ブラジルのバイーアへ向かう。中途立ち寄った島で脱走犯Cayenne(カイエンヌ)と出会い、彼をかくまうカリブの先住民族達の呪術を目の当たりにする。Cayenneを加えた一行は、Morganaの邸宅へと到着する…


III Samba avec Tir Fixe(3.ティール・フィックスとのサンバ)

 Corto、Tristan、SteinerはMorgana達と共に、Morganaの魔術の師匠であるBouche Dorée(ボシュ・ドレー、黄金の唇)へと会いに行く。Bouche Doréeは、Cortoの母親である"Niña de Gibraltar(ニーニャ・デ・ジブラルタル、ジブラルタルの瞳)のことを良く知っていた。また、Bouche Doréeは、Cortoに一仕事を頼む。その内容は、白人の圧政に対して武装蜂起をした“カンガセイロ”と呼ばれる人々へ救援物資を運ぶことだった。現地では、殺された首領の代わりに、Tir Fixe(ティール・フィックス)が陣頭指揮をとっていた…


IV L'aigle du Brésil(4.ブラジルの鷲)

 Bouche DoréeのもとでくつろいでいたCortoだが、Tristan、Steinerと共に出発し大西洋を北上する。時は第一次大戦下、連合軍の船舶ばかりが遭難する海域があった。Corto達は漂流するヨットを発見し、大怪我をした漁民を助ける。その近くの島に上陸すると…


V ... Et nous reparlerons des gentilshomm es de fortune(5.そして、海賊達のことを再び話そう)

 Corto、Tristan、Steinerは、或る小島にいる。そこにはスペインの海賊が盗んだ黄金が隠されているという。その隠し場所は、鯨の骨で出来たトランプのカードのエースに刻まれていて、4枚揃うと分かるという。クラブのエースのカードを持つCortoは、海賊の子孫の女性に会いに行く。女性はダイヤのエースを持っていて、更に、ハートのエースを持つRaspoutine(ラスプーチン)に再会し…


VI À cause d'une mouette(6.1羽のカモメのせいで)

 海岸に漂着したCortoは記憶を失っていた。敬虔なキリスト教信者の白人女性Soledad Lokäath(ソレダ・ロカース)に敵と間違って撃たれた後、保護される。Soledad Lokäathは従者である先住民族の男性Jésus-Marie(ヘスス・マリエ)と暮らしているが、辺りをつけ回す男や彼をかばう司祭がいて…



《感想など(かすかにネタバレ有り》

 当ブログで頻繁に話題にしている「Corto Maltese」シリーズの第2巻。このシリーズはカラー、モノクロ、小型本と様々なバージョンが存在し、また、最近リニューアル版が刊行されている模様なのですが、当ブログで取り上げるのは“全12巻バージョン”ということで、どうぞよろしくお願い致します。第2巻から、Cortoの本格的な冒険の旅が始まります(掲載誌も、フランス語圏へと進出しています)。南米を舞台に、植民地や人種問題、戦争を背景に、時に神秘的体験を交え、読者はぐいぐいと未知の世界へと引き込まれていきます。黒人の描写などは、差別が厳しかったであろう1970年発表当時には斬新だったかも知れません。地名や歴史上の出来事、呪術に関連した固有名詞などが多く出てくるので読むのに結構難儀したのですが、ネットで検索すると日本語でも情報が出てくるので助かりました。


 大海原を航海するCorto Malteseの冒険は、一見、颯爽として格好良さそうにも見えますが、単にそれだけの話ではありません。人々の思惑に翻弄され、助けたかった人は助けられず、宝物は手に入らず、海賊の過去は蒸し返され、時に昔の仲間が現れて危険で魅力的な冒険へといざなう。多くの困難が待ち受けている中、己を信じて遠くを見据え、自分の道を切り開いていくCortoの行く先を、これからも少しずつ見届けていこうと思います。

|

« 雑誌「ふらんす」でBD特集 | トップページ | BARDÍN el Superrealista »

イタリア」カテゴリの記事

フランス(及び仏語圏)-03」カテゴリの記事