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2007年10月28日 (日)

アルゼンチンのアニメ映画「Fierro」

 fierro.jpg

(参照元:EL BLOGAZO DEL COMIC: FIERRO LA PELICULA EN FASCICULOS)

 当ブログ2005年11月23日付け記事でご紹介した、アルゼンチンの漫画家Roberto Fontanarrosa(ロベルト・フォンタナロサ、1944-2007、公式サイト)。残念なことに今年7月19日に亡くなられたのですが、そのFontanarrosaの絵をもとにしたアニメ映画「Fierro(フィエロ)」が、11月に公開されるそうです。

 youtubeに予告編がupされていました。
●Fierro Trailer
●Fierro Teaser
●Fierro Trailer Final

 このアニメ映画は、José Hernández(ホセ・エルナンデス、1834-86)の叙事詩「Martín Fierro(マルティン・フィエロ)」を翻案したもの。映画の公開に先駆けて、Clarín社ではFontanarrosaのイラスト付きの冊子を順次刊行していくそうです。

 「Martín Fierro」について検索してみたところ、邦訳は絶版の模様ですが、いくつか参考になるサイトがありましたので、まずはそこから少しずつ読んでいこうと思います。

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2007年10月27日 (土)

「Lucky Luke」新旧アニメ映画

▼Tous à l'Ouest : une aventure de Lucky Luke
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 当ブログ8月12日付け記事で取り上げた「Lucky Luke(リュッキー・リュック、英語読みならラッキー・ルーク)」のアニメ映画、12月5日の公開に向けて、公式サイトはパワーアップし(重いですよ)、ALLOCINE.COM内の特設ページには新しい予告編が!実はまだストーリーを良く知らないのですが、テンション高くてわくわくしますね!日本では公開しないのかな。出来れば大きなスクリーンで見てみたいものですが…


▼Lucky Luke, les Dalton en cavale
lucky_luke_old.jpg
 ALLOCINE.COMでもう一つ、昔のアニメ映画の記事を見つけました。1983年制作で、原作者であるベルギーの漫画家Morrisと、Hanna-Barberaプロダクションとの共作。おそらくこちらの方が原作のイメージに近いのでしょう。でも原作になじみの無い身には、こっちのLucky Lukeは、ちょっとおっかないっす。

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2007年10月26日 (金)

フランスのTVアニメ日本風一覧

 フランスでは日本のマンガやアニメが大流行でバンド・デシネにも大きな影響を与えている…なんて報道をよく見かけますが、ネットを見ていると、フランスのTVアニメも随分と日本の影響を受けているような…?
 そこで、目に付いたものを片っ端から挙げてみました。リンク先の公式サイトにサンプル動画が無いものでも、“ようつべ”や“でいりーもーしょん”に何かしらあるかも知れませんので、興味のある方はそちらの方もチェックしてみて下さい。

▼Les 4 Fantastiques
quatre_fantastique.jpg
 仏米合作、アメコミ「ファンタスティック・フォー」のアニメ版。日本語による紹介はこちらを(PlanetComics.jpより)。ここに挙げた中では、この作品が一番日本で放映される可能性が高そうに見えますが、どうなりますやら…

▼Galactik Football
galactik_football.jpg
 いきなり大音響なので要注意!これまでスポーツ物が無かったと言われるフランスで、ハイテクSF仕立ての熱血サッカーバトル。チームが男女混合とかユニフォームがお洒落な所がフランスっぽい…?3DCGのメイキングを見ていると随分凝ったことをしているのに、2D部分の人物画のデフォルメにちょっと違和感を感じるのが残念。

▼Team Galaxy
▼Martin Mystère
▼Totally Spies
marathon.jpg
 日本でもおなじみ「トータリースパイズ」のMarathon社制作、Stéphane Berry監督作品のキャラデザは、ジャパニメやMANGAの影響のはしりでしょうか。MANGAに影響されたBDのサンプル画像なんかを見ていると、表情の崩し方が似ているようで…

▼Corto Maltese
corto_tv.jpg
 映画は日本でも公開されたけど、TVアニメは難しいかなー。これまでTV版の編集・放送形態がいまいち良く分からなかったのですが、結局、長編を4本&短編を6本制作して、長編を4分割して計22本をTV放映ということらしいですね(参考→こちら)。

▼Candy Boy
candy_boy.jpg
 この作品だけはTV番組ではなくて、短編映画(参考→CATSUKA News)。「candyへのオマージュ」というふれこみだったので「candyって何よ?キャンディ・キャンディの事?」といぶかしく思いながら見てみた所、8~9分めのあたりで「何をやぶからぼうに」とくずおれたものでした。 日本語による紹介はこちらを(BONZOUR::パリ発おもしろフランス生活情報より)。ちゃんとした映画監督によるちゃんとした短編映画…なんですよね。


 その他、当ブログでは既出の「Shuriken School」「Time Jam - Valérian & Laureline」、日本で既に放映中の「Oban Star-Racers」「Code Lyoko」等々、探せばまだあるかも知れませんが、ひとまずここまで。

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2007年10月25日 (木)

「手裏剣スクール」その後

shuriken_tv_2.jpg

 当ブログ2月28日付け記事5月12日付け記事でご紹介した、仏西合作TVアニメ「手裏剣スクール」のその後。日本ではトゥーン・ディズニーのJETIXで繰り返し再放送をしていて、おそらくフランスでも同様だと思うのですが、なにげにメディアミックスが進行中だったので、ご紹介します。

▼ノベライズに…
版元Hachette Livre社の紹介ページ

▼コミカライズに…
BD通販サイトBDnet.comの紹介ページ

▼長編アニメ化!!
DVD通販サイトDVD Sériesの紹介ページ

…3つめの長編アニメDVD、タイトルが「SHURIKEN SCHOOL - LE FILM」と書いてありますが、別にロードショー公開した訳ではなくて、日本で言うところのOVA。フランスではToussaint(万聖節)のバカンスの時期にFrance 3で放映するそうですよ(参考→xilam社のプレス記事)。先にDVDを出してからTV放映とは、日本の感覚で言えば順序が逆のような…。果たして日本で放映される日が来るのでしょうか?このDVD、2枚組の片方の「Making of (40 min.)」というのが気になっていて、買おうかなどうしようかなーと思案中です。

 ところでこのアニメ、日本では「フランスアニメ」と言われがちですが、正しくはフランス・スペイン合作アニメです。原案・キャラクターや背景のデザインはスペイン人、監督はフランス人、アニメ製作は恐らく共同…じゃないかな、クレジット等を見ていると。制作スタッフの中にはサンプル動画やデザイン画を公開する方もいらっしゃいましたので、ご紹介します。ケーブルTVやCS放送の視聴環境が無い方にも、このアニメの雰囲気が伝わるのではないかと思います。
▼サンプル動画(フランス人スタッフのブログ)
Winny Artblog
▼デザイン画(スペイン人スタッフのブログ)
JAVIER BOTET DIBUJO


 「手裏剣スクール」、私は線画のデザインや音楽が気に入っていて、一見、可愛らしくて楽しそうなアニメなのだけど、時々なにげにハラハラさせられて味わい深いです。一つには、シチュエーションに無理があるのに力ずくで「いい話」に落とし込む時。そしてもう一つは、日本の描写が多少変なのはご愛敬としても、時々「ん…?」と微妙な気持ちになる時。前者の例だと「なぜ湖に海賊船?」とか「二人立て続けに部屋に入ったのに、二人目だけドアに仕掛けた罠に引っかかるのはなぜ?」「50年前の卒業生のロッカーがそのままで残っている…?」とかツッコミながら見る楽しさもありますが、後者の方は「おにぎりの描写があんまりなのはマジなのかそれともワザと…?(あれ、お餅とご飯がミックスされていますよね)」とか「いじめっ子の名前が『テツオ』で大ぼらふきのニンジャマスターの名前が『オートモ名人』ってまさか…?」などと、深読みし出すともう心穏やかじゃない。このアニメの監督はかつて「Corto Maltese」のアニメ映画の監督をしていたのですが、その海外の公式サイトには過去の経歴に「フィリップ・カウフマン監督『ライジング・サン』のストーリーボードを手がけた」と書いてあるのに(→こちら)、日本の公式サイトでは削られている(→こちら)あたりがまた、ハラハラ感倍増。「ライジング・サン」って、日本を持ち上げているんだか落としているんだか、真面目なんだか笑わせようとしているんだか分からない、すごく変な(個人的には愉快な)映画でした。あの時の経歴がこの作品に生かされていたらどうしよう…。そんなことでハラハラしているのは地球上で私一人だけのような気もしますが、この気持ち、誰か分かってくれる人がいるかも知れないと思い、白状してみた次第であります。

 そんなハラハラはおいといて、お気に入りのエピソードを挙げるなら「メキシコの覆面男(An XXL Lie)」「スーパー・ニンジャ(Super Ninja)」「謎の小鳥(Funny Chick)」「失われた宝(The Lost Treasure)」の4本でした。「メキシコの覆面男」「失われた宝」は大風呂敷を広げた強引な展開と湖畔や港や船の描写、「スーパー・ニンジャ」は懐中電灯を振り回すと光がこぼれる場面の描写の繊細さ、「謎の小鳥」はピーちゃんの魔性さ加減が。

(11月9日、ちょっとだけ加筆修正)

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2007年10月 5日 (金)

「フランス(及び仏語圏)-03」カテゴリ追加、および雑談

 少しずつ機能が追加されているココログではありますが、未だに“○件でページ替え”みたいな事をしてくれないので、記事がたまるとカテゴリー別のページが肥大化していくのが困りものです。そこで、新たに「フランス(及び仏語圏)-03」のカテゴリーを創設します。ですので、この続きはそちらの方をご覧下さい。


 ところでこのブログ、やけに「フランス(及び仏語圏)」の話題が多いです。特に何か意識した訳ではなくて、気のおもむくままに記事を書き綴っていたら、こうなりました。すると本文中に「バンド・デシネ」という言葉を多用する事になるのですが、ここで一応念の為に申し上げますと、別に気取って横文字を用いている訳ではありません。これを「フランスの漫画」と記述してしまうと「フランス人以外の作者もいれば、フランス以外の出版社もあるのに何故?」と違和感を覚えるし、「フランス語圏の漫画」とすると「フランスの海外県を連想する人もいるのでは?(考え過ぎかも知れないのですが、過去にそういう気配を感じたことがありまして…)」と懸念したため、近年日本でも徐々に定着しつつある「バンド・デシネ」という用語を使わせてもらっている次第であります。

 こうしてブログを書き綴っていくにつれ、「バンド・デシネ」や、ひいては「日本人のイメージするフランス(及びフランス的なもの)」について思う事など色々と生じて参りました。上段のように「バンド・デシネ(以下BDと表記)」を定義付けたのも、そのひとつの現れです。そこで、せっかくだからこの機会に、これまで思い巡らしていた経緯などをつらつらと書いてみたいと思います。私自身、気のおもむくままにネット書店を物色して気に入ったものを買い込んで読んだり眺めたり、或いはBD関連サイトを拾い読みしているだけなので決して大それた事を言える立場ではないのですが、それでも気になるのは、日本で紹介されたり翻訳されるBD作品というのはあくまでごく一部であり(…ここでちょっと脱線しますが、実はアメリカ経由で日本に入ってくるものが多いんじゃないでしょうか。『タンタン』『スマーフ』はキャラクターの名前が英語版仕様ですし、メビウスやビラルあたりは雑誌『Heavy Metal』や『スターログ』を経て日本に入って来たのではないかと思うのですが…)、それらをもって「フランスってこういうもの」と言い切ってしまって良いのかどうか、ちょっと考え込んでしまいました。ちなみに、最新のベストセラーBDの一覧はこんな感じ。子供向けのものや肩のこらない娯楽作も多く見受けられ、なんと言いますか、フランス旅行ガイドで「フランスはグルメとファッションの国と思われていますが、別にフランス人はいつも美食やお洒落ばかりしている訳ではありません(大意)」といった記述を見た事があるのですが、漫画に関しても同じようなことが言えるのかなと思えてきます。でも、巷間言われている「判型は約A4サイズでハードカバー、絵本みたいな体裁でフルカラー」というのは、実際に現地の書店で目にして「確かにそんな感じかも」と思ったものでした。

 あともう一つ気付いたのは、BDの中には「フランスのもの」とは言い切れないものが数多くあるという事です。例えば「Spirou et Fantasio」など、2006年1月26日付け記事のリンク先資料等によると、掲載誌「Spirou」はベルギー生まれの雑誌ですが、初代の作者はフランス人で、第2次世界大戦が始まって帰国しなくてはならなくなったので著作権をを版元に譲って、以後ベルギー人の作家や、最新シリーズはシナリオはフランス人・作画はスペイン人のコンビが描いており、版元は現在フランスの大手グループの傘下に入っています。こうなると、もう「ベルギーの漫画」とも「フランスの漫画」とも言い難くなってしまいますが、これに近い事例は他にもあります。現地では総称して「bande dessineé franco-belge」とか「BD francophone(←最近ではスイスの作家や、出版はフランス語圏でも出身が他国の作者を想定して、こういう呼び方になったのではないかと推測するのですがいかがでしょうか。)」などと呼んでいますが、それすら日本に入ると、2005年12月8日付け記事のように「フレンチ・コミック」と翻訳されてしまったり、単に「フランスの漫画」と呼ばれたりして、「ベルギー」の文字が抜け落ちてしまう事例をいくつも見てきました。恐らく、翻訳者や紹介者がフランスでそれらの作品に接することが多いからかも知れませんし、日本人のフランスに対する強い思いが反映されているのかも知れません。それに、ベルギーの方々のPRも足りないですよね。近所のデパートでたまに物産展を開催しているのですが、置いてあるのは大抵、ビールにワッフルにチョコレートといった具合ですし。

 …と、長々と書き連ねてきましたが、フランス(語圏)に限らず、異文化への理解の道はなかなか険しいものです。特に漫画は嗜好品の側面もあるから、どうしても論者によって偏りが出たりして、全体像を把握したり客観的に批評するなどというのは非常に難しいと思います。日本人が日本のマンガを語る際にも色々な議論が発生しますよね。ましてや言葉の壁の高い外国漫画をや。このブログには私の個人的な嗜好が色濃く反映されていて、私自身、日本のマンガを読む延長上で外国のものをネットで見繕っているようなところがあります。これまで日本に紹介されなかった作品・作家を取り上げる事も多く、かつ、その事に意義を感じるときもあります。なので、時々、いまひとつ「(日本人のイメージする)フランス的なもの」が欠けているのではないかとか、「『フランス(語圏)』と言いながら随分と偏っているじゃないか」と言われるのではないか、などと思う事もあるのですが、ここはそういう性質を持ったブログという事で、ひとつ今後ともどうぞよろしくお願い致します。

(10月13日、11月9日一部修正……気持ちの乱れが文章の乱れに表れているため、ちょこまかと頻繁に書き直しています。文章を直しながら、心のむずがっている部分を整理しています。)

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2007年10月 4日 (木)

「ペルセポリス:PERSEPOLIS」映画その後

persepolis_jp.jpg

●映画『ペルセポリス:PERSEPOLIS』公式サイト
●米アカデミー授賞式にフランス映画『ペルセポリス』 ユニフランスより)
●英語版公式サイト

 2006年12月27日付け記事でご紹介した、「ペルセポリス」アニメ映画のその後。フランスのカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞した話は日本でも話題になっていたのでご存知の方も多いかと思います。そして、フランスでは100万人を超える観客動員数を記録するヒット作となり、日本では2008年正月公開予定だそうです。更にアメリカでは、来年2月に行われる米アカデミー授賞式で、フランスを代表してこの映画が上映されることが決定し、アカデミー賞の最優秀外国映画賞と最優秀アニメーション映画賞へのノミネートも有望視されているとのこと。何だかすごく評判が良いですね。

 アメリカといえば、この映画の原作も英語に翻訳されて好評のようです。以前、雑誌「ニューズウィーク日本版」で取り上げられているのを図書館で見かけました。うちの近所の図書館は昔の雑誌は保存してくれないので現物をチェックすることが困難なのですが、ネットを検索してみた所、おそらく2005/08/31発売号 (9/7号)の中の「文学の未来はコミックにあり 「グラフィック小説」は低迷する出版界の救世主になれるか ?」という記事だったと思います。また、英語版の元記事はAug. 22, 2005 issueのこの記事ではないかと思われます。(でも違ってたらゴメンなさいね。)

 原作は以前図書館で借りて読んだことがあるのですが、近年のイラン情勢の元で苦難を強いられる人々の話や、女性として生きていく上での種々の悩みなど、新たに知ることもあれば環境の違いを超えて共感することもありました。映画の予告編を初めて見たとき、正直なところ、イスラム社会の息苦しさとアメリカ文化へのあこがればかりが強調されて違和感を感じたものでしたが、「allocine.com」の特設ページ内の「Bandes Annonces」の他のサンプル動画を見ていると、それは本編のごく一部なんでしょうね。いずれにせよ、来年の日本公開が楽しみです。


 最後にちょっと蛇足なのですが、上記「ニューズウィーク日本版」記事の「グラフィック小説」という言葉について。要はアメリカの漫画のいちジャンルである「グラフィック・ノベル」のことなんですが、こういう漫画用語ってなかなか定着しづらいですね。First Second Booksというアメリカの出版社の日本語ページ(→こちら)でも律儀に「グラフィック小説」と訳していますし。私自身、初めて「グラフィック・ノベル」という言葉を目にしたとき「漫画なのになぜ『小説』と言う?」と、しばらく違和感がぬぐえず、やがて「そういうものか」と慣れていった次第ではありますが(麻痺したとも言えるかも)、こういう用語ひとつで、日本とアメリカの漫画観の違いを垣間見た思いです。

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