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2007年10月 1日 (月)

「フランス(及び仏語圏)-03」カテゴリはここから、および雑談

《2008年12月9日》 えー、このエントリは、以前別なところに書いていた文章を移しています。


《2008年10月21日追記》

(えー、あらかじめお断り申し上げますが、以下の文章、少々感情的な上に誤字もあり、人によっては、あまり読み心地の良いものではありません。書き直そうとしたのですが、文面を取り繕っても根本的なところは変わらないので、このままにしました。)


 「フランス(及び仏語圏)-03」のはじまりですが、その前にひとつお断りを。このブログは、やけに「フランス(及び仏語圏)」の話題が多いのですが、特に何か意識した訳ではなくて、気のおもむくままに記事を書き綴っていたら、こうなりました。すると本文中に「バンド・デシネ」という言葉を多用する事になるのですが、ここで一応念の為に申し上げますと、別に気取って横文字を用いている訳ではありません。これを「フランスの漫画」と記述してしまうと「フランス人以外の作者もいれば、フランス以外の出版社もあるのに何故?」と違和感を覚えるし、「フランス語圏の漫画」とすると「フランスの海外県を連想する人もいるのでは?(考え過ぎかも知れないのですが、過去にそういう気配を感じたことがありまして…)」と懸念したため、近年日本でも徐々に定着しつつある「バンド・デシネ」という用語を使わせてもらっている次第であります。

 こうしてブログを書き綴っていくにつれ、「バンド・デシネ」や、ひいては「日本人のイメージするフランス(及びフランス的なもの)」について思う事など色々と生じて参りました。上段のように「バンド・デシネ(以下BDと表記)」を定義付けたのも、そのひとつの現れです。そこで、せっかくだからこの機会に、これまで思い巡らしていた経緯などをつらつらと書いてみたいと思います。私自身、気のおもむくままにネット書店を物色して気に入ったものを買い込んで読んだり眺めたり、或いはBD関連サイトを拾い読みしているだけなので決して大それた事を言える立場ではないのですが、それでも気になるのは、日本で紹介されたり翻訳されるBD作品というのはあくまでごく一部であり(…ここでちょっと脱線しますが、実はアメリカ経由で日本に入ってくるものが多いんじゃないでしょうか。『タンタン』『スマーフ』はキャラクターの名前が英語版仕様ですし、メビウスやビラルあたりは雑誌『Heavy Metal』や『スターログ』を経て日本に入って来たのではないかと思うのですが…)、それらをもって「フランスってこういうもの」と言い切ってしまって良いのかどうか、ちょっと考え込んでしまいました。ちなみに、最新のベストセラーBDの一覧はこんな感じ。子供向けのものや肩のこらない娯楽作も多く見受けられ、なんと言いますか、フランス旅行ガイドで「フランスはグルメとファッションの国と思われていますが、別にフランス人はいつも美食やお洒落ばかりしている訳ではありません(大意)」といった記述を見た事があるのですが、漫画に関しても同じようなことが言えるのかなと思えてきます。でも、巷間言われている「判型は約A4サイズでハードカバー、絵本みたいな体裁でフルカラー」というのは、実際に現地の書店で目にして「確かにそんな感じかも」と思ったものでした。

 あともう一つ気付いたのは、BDの中には「フランスのもの」とは言い切れないものが数多くあるという事です。例えば「Spirou et Fantasio」など、2006年1月26日付け記事のリンク先資料等によると、掲載誌「Spirou」はベルギー生まれの雑誌ですが、初代の作者はフランス人で、第2次世界大戦が始まって帰国しなくてはならなくなったので著作権をを版元に譲って、以後ベルギー人の作家や、最新シリーズはシナリオはフランス人・作画はスペイン人のコンビが描いており、版元は現在フランスの大手グループの傘下に入っています。こうなると、もう「ベルギーの漫画」とも「フランスの漫画」とも言い難くなってしまいますが、これに近い事例は他にもあります。現地では総称して「bande dessineé franco-belge」とか「BD francophone(←最近ではスイスの作家や、出版はフランス語圏でも出身が他国の作者を想定して、こういう呼び方になったのではないかと推測するのですがいかがでしょうか。)」などと呼んでいますが、それすら日本に入ると、2005年12月8日付け記事のように「フレンチ・コミック」と翻訳されてしまったり、単に「フランスの漫画」と呼ばれたりして、「ベルギー」の文字が抜け落ちてしまう事例をいくつも見てきました。恐らく、翻訳者や紹介者がフランスでそれらの作品に接することが多いからかも知れませんし、日本人のフランスに対する強い思いが反映されているのかも知れません。それに、ベルギーの方々のPRも足りないですよね。近所のデパートでたまに物産展を開催しているのですが、置いてあるのは大抵、ビールにワッフルにチョコレートといった具合ですし。

 …と、長々と書き連ねてきましたが、フランス(語圏)に限らず、異文化への理解の道はなかなか険しいものです。特に漫画は嗜好品の側面もあるから、どうしても論者によって偏りが出たりして、全体像を把握したり客観的に批評するなどというのは非常に難しいと思います。日本人が日本のマンガを語る際にも色々な議論が発生しますよね。ましてや言葉の壁の高い外国漫画をや。このブログには私の個人的な嗜好が色濃く反映されていて、私自身、日本のマンガを読む延長上で外国のものをネットで見繕っているようなところがあります。これまで日本に紹介されなかった作品・作家を取り上げる事も多く、かつ、その事に意義を感じるときもあります。なので、時々、いまひとつ「(日本人のイメージする)フランス的なもの」が欠けているのではないかとか、「『フランス(語圏)』と言いながら随分と偏っているじゃないか」と言われるのではないか、などと思う事もあるのですが、ここはそういう性質を持ったブログという事で、ひとつ今後ともどうぞよろしくお願い致します。




(10月13日、11月9日一部修正……気持ちの乱れが文章の乱れに表れているため、ちょこまかと頻繁に書き直しています。文章を直しながら、心のむずがっている部分を整理しています。)

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