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2007年6月 5日 (火)

El Eternauta

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El Eternauta(エル・エテルナウタ、Record社、1998年刊)
シナリオ:Héctor Germán Oesterheld(エクトル・ヘルマン・オエステレルド、1919-1977)
作画:Francisco Solano López(フランシスコ・ソラノ・ロペス、1928-)
表紙:Juan Bobillo(フアン・ボビージョ、1975-)
初出:「Hora Cero(オラ・セロ)」1957年9月4日号-1959年11月18日号
(初出のデータは、こちらのページを参考にしました。)

《あらすじ》
 真夜中に書斎にこもって執筆中の漫画シナリオライターの前に、突如現れた見知らぬ男。男は名前をJuan Salvo(フアン・サルボ)といい、シナリオライターに自分の身に起こった恐ろしい出来事の数々を話し出した。もともと妻や娘と一軒家で平穏に暮らしていた彼が友人達と屋根裏部屋でカードゲームに興じていたある夜、突然降ってきた「死の雪」。通称「ellos(彼ら)」と呼ばれる宇宙人の襲来。レジスタンスの結成。数々の戦い。そして……

《感想など》
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 この作品はアルゼンチンの50年前の漫画で、今も様々な執筆者によって描き継がれています。当時の掲載誌である「Hora Cero(ゼロ・アワーの意)」とは、1957年~59年に作者Oesterheldが刊行した週刊漫画雑誌(こちらのページが参考になりました)。タイトルの「Eternauta」というのは恐らく作者の造語で、語源は「永遠の(eterno)+航海士(nauta)」といった意味なのではないかと思います。主人公の潜水服のような服装は「死の雪」を防ぐための防塵スーツ。アルゼンチンの漫画情報サイトには、しばしばこの防塵スーツ姿の主人公のカットが載せられていますし、後年のいくつかの漫画作品にも登場している模様です(→こちら)。Juan Salvoは、アルゼンチンの漫画の一種のアイコンと言えるのではないかと思います。
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 ストーリーは、今のところ私自身かいつまんで読んでいる状態なのであまり正確なところは言いにくいのですが、宇宙人襲来ということで、やはりH.G.ウエルズの小説「宇宙戦争」や数々の映画の影響があるのかなという気がしました。濃ゆい絵で荒唐無稽な所のあるおっかないストーリーなんですが、足かけ3年に渡る週刊漫画連載ということで、読者を引きつけたであろう数々のエピソードや、おっかないけどどことなくユーモラスにも思える宇宙人「mano(スペイン語で“手”の意味。やけに手の指の数が多いのでこの名が付いたと思われる)」のデザインなど、娯楽作として楽しく読めました。ただし、深読みすると当時のアルゼンチンをとりまく世相が反映されているであろうことや、その後の歴史的経緯を考えると、私には作中人物であり作者であるOesterheld自身が「Eternauta」となってしまったように思えて恐怖も感じました。


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 今年は「El Eternauta」の初掲載から50年で、かつOesterheldがいなくなって30年の節目にあたる年で、ブエノスアイレスでは「MUESTRA 50/30」というイベントが開かれるそうです。(『MUESTRA』とは辞書によると『サンプル』とか『展示会』の意味)。当時の作品の原画や出版物等の展示の他に2つの企画が予定されており、一つは審査員が選出した新しい才能を持った漫画家5人の作品を紹介するもので、もう一つはその他の様々な世代の漫画家による架空の「Hora Cero」の表紙を展示するというもの。Solano López画の「El Eternauta」の単行本も、続編ともども復刊されたそうですし(私が持っているのは、数年前にネットで購入した旧バージョン)、これまであまり触れられることのなかったアルゼンチンの漫画の世界を知る機会が増えるのは非常に喜ばしいことだと思いました。

《関連サイト》
●El Sitio web de la gran historieta argentina: El Eternauta
●PORTALCOMIC - Portalcosas - Continum4(目次)
●PORTALCOMIC - Portalcosas - Continum4(序文)
●MUNDO D: El Sr. D en la muestra 50/30


(8月20日、加筆修正)

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