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2007年1月 4日 (木)

「週刊少年ジャンプ」とアメリカン・コミック

 「思い出の週刊少年ジャンプ」(創刊号からの表紙サムネイル画像や目次をはじめ、ジャンプに関する情報が盛りだくさんのファンサイト)というサイトを覗いていたら、ジャンプを愛読していた頃が懐かしくなったので、当時の編集長・西村繁雄氏の著書「さらば わが青春の『少年ジャンプ』」と「まんが編集術」を読んでみました。前者は著者が入社~退職までの回想記、後者は当時の愛読者4人からのインタビューをまとめたものです。それぞれ、作り手からの視点と読者からの視点で描かれていて、双方の熱い思いがびっしりとした情報量を伴って現れてきます。私は主に1980年代の愛読者だったのですが、その頃の話は懐かしく感じられ、他の時代の見たことのない作品についての解説もまた、面白く感じられました。

 しかし、これらのサイトや書籍でも話題にならない作品群がある。創刊号からしばらくの間掲載された、一連のアメリカン・コミックです。上述の「思い出の週刊少年ジャンプ」や「まんが編集術」にはジャンプ掲載作品のリストが載っているので、それらをもとに書き出してみました。

-「フラッシュゴードン」(作:ダン・バリー、1968年創刊号)
-「魔術探偵マンドレーク」(作:フレッド・フレドリック、1968年2号)
-「秘密諜報員コリガン」(作:アル・ウィリアム、1968年3号)
-「宇宙ロボット戦争」(作:ダン・バリー、1968年4号)
-「空飛ぶ円盤を追跡せよ」(作:フレッド・フレドリック、1968年5号)
-「洗脳機をぶっこわせ」(作:アル・ウィリアム、1968年7号)
-「第8秘密結社」(作:フレッド・フレドリック、1968年9号)

 では、これらの作品群の原著はどのようなものなのか。それらしい作者・作品の画像の載っているページを調べてみました。しかし、私自身はジャンプに掲載された作品群を実際に見たことがないものですから、以下の文章はすべて憶測に混じりになってしまいます。何とぞ、ご了解・ご注意下さいますよう、よろしくお願い致します。また、アメリカン・コミックの画像を見るなら「Comic Art Fans」というサイトが便利ですが、高解像度スキャンゆえ鮮明だけど重いので、その点ご注意下さい。

●「フラッシュゴードン」(作:ダン・バリー)
「Flash Gordon」(作:Dan Barry)
▼「Flash Gordon」について
英語版wikipedia
▼Dan Barryについて
英語版wikipedia
lambiekによる紹介
《画像》Dan Barry :: Flash Gordon 4/1/63 daily strip (original panel)

●「魔術探偵マンドレーク」(作:フレッド・フレドリック)
「Mandrake the Magician」(作:Fred Fredericks)
▼「Mandrake the Magician」について
英語版wikipedia
▼Fred Fredericksについて
英語版wikipedia
lambiekによる紹介
《画像》COMIC STRIP-DAILIES/TOPPERS :: Fred Fredericks Mandrake 1968

●「秘密諜報員コリガン」(作:アル・ウィリアム)
「Secret Agent Corrigan」(作:Al Williamson)
▼「Secret Agent Corrigan」(『Secret Agent X-9』が後に改題されたもの)について
英語版wikipedia
▼Al Williamsonについて
英語版wikipedia
lambiekによる紹介
《画像》Williamson, Al :: Williamson, Al - Secret Agent Corrigan 4-20-67

 「宇宙ロボット戦争」「空飛ぶ円盤を追跡せよ」「洗脳機をぶっこわせ」「第8秘密結社」については、「週刊少年JUMP最強データを夢見て覚めない落石総研」というサイトの「週刊少年ジャンプデータ集」内の「目次目録」のページによると、それぞれ上の3作品の同作者による同じシリーズのようです。

 さて、これらのアメリカン・コミック、「さらば~」の前書き「プロローグにかえて」で創刊号の作品を列挙した上で次のように述べられていました。「横文字の漫画は、少ない編集予算と人員をカバーするため、知人のいる通信社から安い値段で掲載権を買ったもの」とのことで、特に海外コミックを取り入れたいというのでもなかったようです。むしろ、この「横文字の漫画」という表現を深読みすると、アメリカの漫画への関心の低さと言うよりも、むしろ反発しているような印象を受けたりして……そういえば、昔のジャンプの連載作品にはアメリカへの反発を感じさせるものが多いような気がします。「包丁人味平」に出てくるアメリカ仕込みの実業家・マイク赤木とか、「サーキットの狼」で日本の幻の名車TOYOTA 2000GTに乗る隼人ピーターソンとか、いちはやく沖縄基地問題を取り上げた「ドーベルマン刑事」の沖縄コネクション編とか、日米対決するバトルもの等々……。

 ところで、アメリカの漫画といえばセリフは横書きだしページやコマの順番が日本のと異なりますが、どのようなスタイルで掲載していたのでしょう。上に挙げたサイトや書籍からはその辺りは何も書いてなくて、当時の読者からの特記事項が無いということは、やはり日本風にレイアウトし直したのでしょうか。また、たとえ本意では無かったであろうとしても、掲載にあたっては編集者なりの選択眼が働いたことだろうし、当時の読者からは(良くも悪くも)感想が挙がって来ないということは、特に違和感もなく受け止められていたとも考えられるので、これらのアメコミ作品には、もしかしたらジャンプの作品群との共通性・親和性があるのかも知れませんよ。

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