スペイン-02

2012年3月12日 (月)

「CARTOON」のサイトから、ヨーロッパのアニメ映画情報を

 twitterで、スペインアニメ映画「Arrugas(皺、パコ・ロカの漫画のアニメ化、→当ブログ2011年12月 5日付け記事で取り上げました)」のプロデューサー、Manuel Cristóbal(マヌエル・クリストバル、@manuxcristobal)氏をフォローしていたところ、先日フランスはリヨンで開かれた「Cartoon Movie」という見本市で「Producer of the Year」を受賞したとのこと。おめでとうございます!(→YouTubeのインタビュー映像)そして、このイベントの公式サイトを見るとヨーロッパのアニメ映画の世界が見えてくるので、ご報告する次第です。(そして、東京アニメフェアにいらっしゃるの?誰か是非、日本で上映して欲しいです。)


▼CARTOON - European Association of Animation Film : Home page.
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 「CARTOON」というのは、ヨーロッパのアニメ産業をサポートする非営利団体で、4つの部門に分かれていて、今回取り上げる「Cartoon Movie」は、そのひとつ。単なる見本市やお祭りではなく、長編映画のプロデューサーが、自身のプロジェクトを進めるにあたって、資金調達を早める目的や、国境を越えたパートナーや国際的な配給会社や販売代理店を見つけるための機会を得る場となっているそうです。

 そして、2012年の選考作品が「Selected projects in 2012」に一覧があります。「Completed films」「Films in production」「Projects in development」「Projects in concept」の4つの区分けがあり、この一覧が結構、面白いのです。サムネイル画像にマウスポインタをあてると大きな画像がポップアップ表示されますし、制作会社のリンクをクリックすると、更に詳しい情報も。そこで、気になった作品をピックアップしてご紹介します。


▼ZARAFA-LEFILM.COM
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 この作品の監督である、Rémi Bezançon(レミ・ブザンソン)とJean-Christophe Lie(ジャン=クリストフ・リー)が「Directors of the Year」を受賞したとのこと。ovninavi.comに日本語による紹介が。1826年、エジプトからシャルル10世への贈り物としてフランスに渡ったキリンの数奇な運命からインスピレーションを受け、10歳の黒人少年と孤児キリンの友情物語に仕立げたのが本作、とのことです。

▼Le tableau - Le film
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  画家が多少なりとも「描き終えた」カンバスに描かれた未完成の絵には、3種類の人物が暮らしている。Toupin達は自分が優位に立つべく反乱を起こす。彼らの創造主のみが調和を取り戻せると確信して、RamoとLolaとPlumeは捜し物を見つけるために、絵の世界から脱出することに成功する(…合ってる?)。何か塗りが雑だなと思ったのは、そういう訳なのですね。色遣いが綺麗で良い雰囲気をしています。

▼Le Magasin des suicides
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 英題「The Suicide Shop」。2012年9月26日公開で、監督がパトリス・ルコント。…って、昔は漫画を描いていたのですね(→日本語wikipedia)。原作の小説は『ようこそ、自殺用品専門店へ』という題で邦訳も出ているとのこと(参考:業務日誌)。


 その他に気になったプロジェクトは「UNE VIE DE CHAT」の監督による「INSAISISSABLE (英題:PHANTOM BOY)や、エンキ・ビラルによる「Animal’Z(→制作会社の紹介ページ)」や、アルチュール・ド・パンスによる「Zombillenium」などなど。


 また、過去の出展作品で面白そうなものを発見。

▼GAZATO FILMS PRODUCTIONS
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 「11」というタイトルで、画像はパイロット動画より(→こちら)。第一次大戦を描く、11の物語。停戦の日である1918年11月11日11時にちなんでいるそうです。グラフィック担当の中には日本で「夜の蝶」というアニメーション作品集のDVDが出ているラウル・セルヴェや、邦訳が出ているBD『イビクス』のパスカル・ラバテや、昔モーニングに作品が載っていた(と、早稲田大学の2009年度の講演で伺った)エドモン・ボードワンの名前が(※追記有り)。いつ公開なのか分かりませんが、完成が楽しみです。

 果たしてこれらの映画、日本で上映してくれるでしょうか。フランス映画祭あたりで是非是非。


(※3月16日追記)
 twitterで教えていただきました。@kunitatitamami氏邦訳海外コミックリストの中の方)によりますと、ボードァン著『旅 (デラックスコミックス)』という単行本が出ているとのことでした。有り難うございました!そして失礼しました…。

(最終更新日:3月16日)

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2011年12月 9日 (金)

「Chico & Rita(チコとリタ)」映画公式サイト

▼:: Chico & Rita :: | Estreno 25 Febrero(いきなり音が出るので注意)
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 スペインの長編アニメ映画、2010年公開。日本ではラテンビート映画祭やセルバンテス文化センターで上映されたので、ご覧になった方も多いでしょう。ラテンビート映画祭の紹介ページは→こちら。Javier Mariscal(ハビエル・マリスカル)とFernando Trueba(フェルナンド・トゥルエバ)の共同監督。音楽はBebo Valdés(ベボ・バルデス)。Javier Mariscalはバルセロナ・オリンピックのマスコットキャラクターのコビーをデザインした方で、記憶されている方もいらっしゃることでしょう。Fernando Truebaは「フェルナンド・トルエバ」表記で検索すると日本語版wikipediaや日本で公開された映画がヒットします。Bebo Valdésはキューバのピアニスト、指揮者、作曲家、アレンジャー。1918年生まれで写真が主人公のChicoに似てるような…、と思ったところ、作中のピアノはこの方が弾いているのですね。(参考:electropicoの音楽三昧 今年のラテンビート映画祭唯一の音楽映画「チコとリタ」


 始まりは1948年のハバナ(キューバ)、ジャズピアニストのChico(チコ)と歌手Rita(リタ)との出会い。やがてRitaはスカウトされニューヨークへ。Chicoも後を追うのだけれど、出会いとすれ違いの連続。そして…。
 ジャズミュージックを随所に盛り込んだ映画で、時に場を陽気に盛り上げ、時にしっとりとした情感を醸し出します。中には「そんなところにもジャズ」というシーンもあり、会場から思わず笑い声も。ラストシーンは涙腺がゆるみ、エンディングでは拍手も起こる、いい映画でした。映像も鮮やかな色彩で綺麗なものでしたし、イベント上映だけではもったいないと思います。


 この映画、画風が写実的で、Javier Mariscalの絵とちょっと違う(一部Mariscalの絵っぽいシーンもありますが)…、と思っていたところ、実写から絵を描き起こしているのですね。すべてかどうかは分かりませんが…。
▼'Chico y Rita', una apología del jazz
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 そんなJavier Mariscalの作風が分かるのが、公式サイト(→こちら)。これまでデザインしてきた作品や描いた作品が紹介されています。懐かしのコビー君や「Chico & Rita」のコミカライズも。「Chico & Rita」のバックグラウンドとして興味深いのが、Fernando Trueba監督作品「CALLE 54(54番街)」の関連デザインと、Compay Segundo(コンパイ・セグンド)のプロモーションビデオクリップ。

▼Estudio Mariscal | la negra tomasa
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(最終更新日:12月18日)

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2011年12月 5日 (月)

「Arrugas(皺(しわ))」映画公式サイト

▼Arrugas
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 当ブログ2009年10月17日付け記事で取り上げ、その後邦訳も出版された『Arrugas(邦題:皺(しわ))』がアニメ映画化。原作・共同脚本・デザイン:Paco Roca(パコ・ロカ)、監督・共同脚本:Ignacio Ferreras(イグナシオ・フェレラス)、音楽:Nani García(ナニ・ガルシア)。2012年公開。YouTubeにupされた予告編(→こちら)のコメント欄によると、今年9月のサン・セバスチャン国際映画祭で上映されたとのことなので(映画祭公式サイトの作品情報は→こちら、英語版は→こちら)、もう作品は完成しているのですね。


 イグナシオ・フェレラス監督はアルゼンチン出身。国際的に活躍されている方で、日本にもご縁があります。「東京2008年オンリーピック(→こちら。オリンピックではありません、念為)」の「早打ち携帯 1000文字級」というアニメ作品の監督をしています(→こちら)。ご本人とおぼしきブログ(→こちら)にも、日本のスケッチが。
▼東京オンリーピック公式競技/Ignacio Ferreras「早打ちケータイ1000文字級」(ダイジェスト版)
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 また、短編作品「How to Cope with Death(死神と老婆)」をYouTubeで発見。
▼How to Cope With Death
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 これマジ面白い!「早打ちケータイ1000文字級」のダイジェスト版も思わず笑いが出てきましたが、こちらは更に、見ていて生きる気力がわいてきました。原作者のPaco Rocaと監督のIgnacio Ferreras、ともに老人を描いてきましたが、その融合でどんな作品が生まれるのか楽しみです。日本で劇場公開してくれたら良いと思いますが、せめてラテンビート映画祭かセルバンテス文化センターあたりで上映してくれないものでしょうか。



《2013年5月21日 ざくざくっと追記》
 その後、2012年2月、原作漫画『皺』が[第15回]文化庁メディア芸術祭マンガ部門〈優秀賞〉受賞、パコ・ロカ氏来日、セルバンテス文化センターにてアニメ映画『Arrugas』英語字幕版上映&小野耕世氏とトーク、国立新美術館にて開催された文化庁メディア芸術祭受賞作品展で原作のパネル展示&アニメ映画を日本語字幕でTVモニターに上映。2012年12月アニメ映画『皺(しわ)』第39回「日本賞」グランプリ日本賞受賞、Eテレで深夜日本語字幕で放映(英語字幕を消して日本語字幕を上書きしてたっぽい。メ芸会場では確かに日本語字幕が脇に縦書きで表示されてた記憶があるのですが、そっちは使えなかったのでしょうか)。そして、2013年6月22日(土)、三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーの提供により、アニメ映画『しわ(原題:Arrugas)』劇場公開予定!!公式サイトはこちら。監督のお名前は「イグナシオ・フェレーラス」と長音表記に。先日の日曜日に新宿バルト9に行ったらチラシが置いてありました。裏面には、高畑勲氏の長めのコメントが載っています。前売り券も発売中だそうですが、特典は無しと、前売り情報一覧の看板に書いてありました。後は、監督が来日&舞台挨拶するのか気になります。是非実現を!あと、この先DVDやブルーレイが出るとして、スペイン語の字幕も付くかどうかも。

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